答え合わせ ８

３０１：たった一人の ページ48

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「じゃあ続き、言わせて」




聞かせて欲しい。

大我先輩の口から。



あの時の続きを。



「…はい」



さっきと同じようにまた引き寄せられた。









「Aが好きだよ」










ずっと。

欲しかった言葉。




「散々振り回してきたけど、許して」

「……許してあげてもいいですよ、特別」



冗談ぽくそう言って、大我先輩の背中に手を回す。



「生意気だなって言わないんですか？」



抱き締められたまま大我先輩を少し見上げてそう言うと、黙ってろって後頭部を手で抑えられて顔が見えなくなった。

いつもならそうやってすぐおでこ小突いてきたりしてたじゃん。




「もしかして照れてます？」

「うるさい」

「うそ、本当に照れてる……大我先輩かわ」



可愛いって言おうとしたのに、それは遮られて。



「お前の方が照れてんじゃん」

「えっ、と」

「もっかいしとく？」

「いや…いやいやいや、」

「なに、やなの」

「そういう嫌じゃないです！」



なんなのこの人！さっきまでウジウジしてたくせに！



「A、もう一回」



ジタバタしてる私を見て笑いながら、もう一度……優しく唇を重ねられる。



「付き合って、俺と」



涙が溢れて言葉にできない代わりに、何度も何度も首を縦に振る。



「あーもう、泣くなよ」

「無理、ですよ。止まんない」

「あーあ、お前が泣くから」

「…え？」

「殺されるらしい、俺」



見ろよこれ、って見せられたのはラインのトーク画面。



〈Aのこと泣かせたらぶっ殺す〉



送り主は、北斗くんだった。


堪え切れなくて吹き出すと、ちょっと不満そうな顔。



「お前さ、俺が殺されてもいいわけ」

「一発くらいは殴ってもらったらどうですか？」

「…なんでだよ」

「これだけ好きにさせた罰として？」

「・・・」



冗談ぽく言ったのに何も反応してくれないし。



「ちょっと、無視しないでくださいよ」

「黙ってろ」

「照れてるくせに」

「やっぱお前生意気」




生意気、なんてそんな嬉しそうな顔して言う人居ないよ？



だけど私はやっぱり、そんな風に不器用で自己中で口も悪いけど……。



「あんま可愛いこと言うのやめろ」



どこまでも私を虜にさせて、惚れさせ続ける大我先輩が誰よりも。



いちばんで、たった一人の大好きな人だ。












【答え合わせ】

end.






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