答え合わせ ８

２７７：消化 ページ24

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結局あの後また北斗くんから電話がかかってきて、たっぷりお説教されて。


年末近くなったら帰省するつもりだったと聞いて、じゃあその辺で飲み会しようってことになった。


文化祭のことは……北斗くんには何も聞かれず。

きっと。私から話すのを待ってくれてる。






それからまたしばらく経って。

皆での飲み会は明日、いわゆるクリスマスの日になった。

北斗くんは今日の夜のバスで帰ってくるって言ってて、高地先輩も明日の夕方にはこっちに着くらしい。



「Aん家で良い？明日」



バイト帰りに樹にそう言われて、断る理由も無く。

帰ってから、人を招き入れられる程度に軽く掃除をした。




大丈夫。

一番荒れてた時よりは、だいぶ落ち着いた。
部屋だってあの時みたいなことには、もうずっとなっていない。

文化祭からも１ヶ月経って。

就職のことも、ちゃんとそれなりに考えを出した。




大我先輩のことはもう、終わったことだと。



ゆっくりゆっくり…時間をかけて消化しようとしてきた。








「久しぶり」

「おかえり、北斗くん」


翌日の昼過ぎ。
少し早めに北斗くんと待ち合わせをした。


ゴールデンウィークぶりに会う北斗くんは前よりもカッコよくなっていたけど、ちょっと痩せた気がした。

仕事、大変なのかな。


「何時からだっけ？今日」

「リサの仕事終わるのが18時だから、半とかかな？それまでどうする？うち…あ、」


家来る？なんて言いかけたのを、咄嗟に飲み込む。

良く…ないよね。
軽くそんなことを言うのは。


「ん？」

「ううん…パンケーキでも食べに行く？」

「今日クリスマスケーキ食べるんでしょ？」


一日にケーキ２回も食べんの？って北斗くんが笑う。

良かった、笑ってるって安心した。


「じゃあ映画でも観に行こっか」


私観たいやつあったの！って話すと、俺も観たかったやつだってまた笑った。

最近公開された、イケメンの俳優さんが主演のやつ。
北斗くん…そんなの好みだっけって不思議に思う。

私に合わせてくれたのか、それとも本当に観たかったやつなのかは分からなかった。






映画を観終わってからは、お互いに少し感想を話して。



面白かった！って熱弁してる北斗くんを見たら、やっぱり本当に観たいと思ってたのかな？とも思ったりして。

それが演技だったら怖い。なんか賞とか貰えそう。



ケータイの電源を入れ直すと、高地先輩からこっち着いたよって連絡がちょうど来て。






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