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スマイルは悪魔だ。
気付いたら人間界に居たらしく、私と出会う前から教会に住み着いていたらしい。
私とは両親と暮らしていた時から一緒におり、
使い魔に興味を持ち始めた時に使い魔になってくれた。
しかしその時はまだ悪魔という事を知らずに契約してしまったので、
いち早く気がついた両親は私と距離を取るようになった。
だが、スマイルは悪魔ということにも関わらず人を襲ったり騙すたりするようなことはしない。
こうして羽を見たりしても、私はいまだに悪魔だと思っていない。
悪魔と知ったのは意外に最近で、
スマイルの事を嫌悪しているぶるーくが私に気を付けろと言ってきたのだ。
正直悪魔だから何って思ってしまったし、
使い魔契約をしてしまった以上こうして魔力を回復する手段はスマイルと触れることしかない。
私の人生に必要不可欠なのだ。
sm「…はい、もう良いか？」
「んー大丈夫、いつもありがと」
sm「……別に」
背凭れに体重を預け、伸びをする。
流れるように隣に座るスマイルを横目で見る。
その背中にはもう羽は見当たらず、見慣れた姿でバッグの中に入った魔導書を見比べている。
すると、ある一冊の魔導書を見て目を見張った。
sm「…なんだこれ、見慣れない文字だな」
「スマイルの本でしょ？読めないの？」
sm「別に読めないとは言ってない、ただ…」
「…この魔導書、知らないの？」
sm「“＿＿、＿……＿…＿＿＿”……記憶と時間……あぁ、これは…」
今日持ってきた魔導書は、今までスマイルから教えてもらった言語では書かれてない物ばかりだ。
魔法使いと自覚して間もない頃、スマイルが持ってきた曰く付きの魔導書達。
どこから持って来たのか聞けたものじゃないが、どうせ魔界とか冥界とかその辺からだろう。
これらの魔導書は、魔力を持った生き物用なのだ。
悪魔や天使は皆、魔法のような力を使うことができ、
魔力を持つ生き物はそれを魔力を使って擬似的に扱うことが出来る。
その方法を研究し、記したのが異世界の魔導書だ。
だがそれらは全て昔の悪魔や天使などの異世界人が書いたもので、人間が読める言語ではない。
私はスマイルに複数ある異世界の言語を教えてもらっているため、
家にある魔導書の大半は読むことが出来るが
この魔導書はスマイルでも時間をかけないと読めないらしい。
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作者名：白月 | 作成日時：2024年1月5日 13時
