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“人狼だけどある程度理性を保ててるシャークん”と“天使だけどグレーゾーンにいるbroooock”
両者共に私との距離が近いため、何か企んで近付いていると互いに探り合っている状況だ。
何度も説得したが、自分の目で見ないと気が済まないようで
相手のこととなると私の意見も信じてくれない。
「良い加減仲良くしなよー」
br「でも僕らはこの距離感が良いんだよ?」
sha「信じて裏切られるよりずっと疑ってる方が良いだろ」
「うーん…本人達が良いなら良いけど、仲良くしてほしいなぁ…ダメ?」
sha「ダメ」(即答)
br「何も起こらないなら何も無いから大丈夫だって」
シャークんに見られながらぶるーくとなかなか弾まない会話を続ける。
私は常にピリピリしたこの空間が苦手だ。
でも苦手だからと言う理由でここを立ち去れば、この2人の関係はさらに悪化するだろう。
そんな事を頭の片隅で考えていると、あっという間に帰ろうと思っていた六時になってしまった。
シャークんは音楽室に来る途中、久々にピアノを弾きたいと言っていたのでもう少し居残るだろう。
一緒に帰れない事を考えると少し名残惜しいが、そうも言ってられないので仕方なく席を立つ。
「ん、そろそろ帰るね」
br「おっけー、校門まで見送って良い?」
「校門まで?別に良いけど」
sha「じゃあな、また今度」
「明日も多分来るーじゃねー」
br「しゃけさーんまたねー」
sha「はーいまたなー」
振られた手に振りかえしながら音楽室を後にする。
この2人は、きっと人間だったら仲も良かったはずなのに。
br「…なんだかんだ良い人だよねー」
「本人に言ってよそういうの」
br「2人で帰るの認めてくれて無いんだもん」
何度も聞いた台詞を苦笑いしながら聞き流す。
どちらか折れて仲良くしようと思えば一瞬だろうなと聞くたびに思ってしまう。
来賓用玄関に着いて靴を取り出す。
また明日と言おうと後ろを振り向く。
br「…教会行くんだっけ。」
「うん、今日はどうする?お家来る?」
br「んー今日はいっかなぁ」
「りょーかい、じゃあまた明日ね」
br「うん、また明日」
そう言って手を振った後、校舎を出る。
どうせ見えないからと言って追いかけて来ないのは、彼の良いところだろう。
それにしても、今日は彼に何か予定があるのだろうか。
いつもならこのまま私の家に来て休むのだが…校舎からも出て来ないし、音楽室だろうか。
まぁ良いか、ぶるーくもピアノ弾き足りないのかも知れない。
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作者名:白月 | 作成日時:2024年1月5日 13時