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「もし…もしさ、イザベラが復活したらどうなるの?」
br「……詳しいことはわからないけど…まぁ多分、Aちゃんは消えるだろうね。」
「きえる…」
薄々気づいていたことを突きつけられ、無意識のうちに反芻する。
“詳しくはわからない”
きりやんはその現実を曖昧にする一言に縋ってるんだ。
イザベラが、乗っ取った瞬間を思い出す。
あのとき言ってた言葉は、全部嘘だったのだろうか。
“俺の大事な人だ”
“Aを救うためだ”
“絶対正しい判断をする”
…嘘じゃないと思ってたんだけど、信じちゃダメだった?
大事って何?救うって何?正しいって何?
br「あとさ、この前シャークんに話したよ、裏の顔とか、全部」
「…全部、言えたの?イザベラの魔法はぶるーくにかけられたないんだっけ…?」
br「魔法…?あ、あーきりやんにかかってたやつか、全然かかってるけど」
「ん?」
かかっ…ん?
br「え?いや僕の魔法で…Aちゃんの魔法コピーしたんだけど」
「ぶるーくの魔法…って聞いたことないんですけど…」
br「あれ?絶対言ったよ」
「知らないから、言われてない」
顎に手を添えそうだっけと唸るぶるーくを見て、
言われたような気になる。実際言われてない…多分。
br「かけられた魔法をかけられた回数だけ使えるんだよね、
Aちゃんは魔法を完全に打ち消せるけど、僕は一瞬だけ。
あとー…Aちゃんって言霊の形が確立してるから、自分にかけれないよね?
僕はまだ…というか自分の魔法じゃないから自分にかけれる。」
自慢げにそう言って、私の目を見て続ける。
br「前にAが僕に言霊かけたことあったじゃん?それとっておいてたの」
「…どのくらい前?」
br「わかんない、3年くらい?」
「3年…あ、」
“ぶるーく私の魔導書
“あは、流石にそんなことしないよ”
“…ぶるーく”
“ん?”
“正直に話して”
“
“愚か!愚か!”
「かけたね」
br「だよね」
「シャークん、信じてくれた?」
br「もちろんもちろん、シャークんもAちゃんの事大好きだから」
どう返したら良いかわからなくて、黙ってしまう。
そんな口を塞ぐように布団を被る。
br「…眠い?」
「んー眠くはないけど……今日は疲れたかな」
br「あはは、了解、早く寝てね」
頭を少し撫でて、名残惜しいようにこちらを見ながら部屋を後にする。
…私、みんなにとって特別じゃないのかな。
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作者名:白月 | 作成日時:2024年1月5日 13時