⋆ ページ40
✧
na「…嫌？」
「嫌」
na「そう、で？魔導書はどこにあるの？」
「…言わない」
na「そっか…じゃあ」
片手で私の顎を支え、無理矢理視線を上げさせる。
目が合うが、魔力が切れてるから言霊が使えない。
合わない焦点が先生の瞳に捕えられ、逃げられない。
このままじゃキ＿＿
br「お取り込み中悪いけどさぁ」
「あっ」
今度は先生が両手を上げパッと距離を置く。
声の主を探そうと辺りを見回せば、寝室の窓からあの2人が顔を出している。
br「んー…なにしてるか聞いて良い？」
na「Aが倒れてたから、ベットに運んだだけだよ」
「ぶるーく…」
そのまま、窓から部屋に入って来たぶるーくに目線をおくり、
目が合うとぶるーくは安心させるようにふわりと微笑んだ。
ベットから降りた先生と向き合うように立つ彼は、
普段の緩い雰囲気を纏っておらず表情などから殺意に似たような感情が滲み出ていた。
kn「大丈夫？」
きんときがベットの端にちょこんと座り、こちらをみてそう聞くが
na「ぶるーくが言ったじゃん。Aに魔導書読ませれば復活させれるって。言ったよね？」
br「復活させちゃダメだって言ったの、絶対に読ませちゃいけないって。」
na「何も言わなければ良かったんだよ、俺は復活させたいのになんで」
br「信じてたんだよ、全部言えばわかってくれるって、でも…」
その背後で大好きな2人が殺意剥き出しで対面してるのを見ると一気に、こう…悲しくなるというか…
br「ていうか、Aにそういう事して良いって誰が言ったの?」
na「第三者の許可なきゃやっちゃダメなの？
そもそもの話、Aが魔導書の在処を素直に言ってれば俺もこんな事しなかったよ」
br「え何？Aの所為だって言いたいわけ？」
na「そうじゃない、ただ＿」
kn「お二人さーん、Aの前でそういう話するのやめて？」
ふっと我にかえったように2人がこちらへ振り返る。
いつ殴り合いが始まってしまうのかとヒヤヒヤしていた私と目が合い、
焦ったように、小さな声で「ごめん」と呟いた。
…飼い主に怒られた子犬みたい。
まだ陽炎のように揺らぐ視界に気分が悪くなる。
✧
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 150人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白月 | 作成日時：2024年1月5日 13時
