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天界では有名な魔導書、内容もさぞかし有名だろう。
ぶるーくが言ったのだろうか、意味もなく言うとは思えない
イザベラを計画的に殺すために…こういう状況に私を遭遇させないために
先生を説得しようと思い言ったのだろうか?
先生たちの意見も聞いてあげないと。
「どうして…」
na「ん?」
「どうして復活させたいの?」
na「え…だってそりゃあ…」
本当のことを言うように、当たり前のことを言うように。
お母さんが私に世の中の常識を教えるように。
スマイルが私に魔導書に書いてある内容を教えるように。
目を見て、いつもの優しい笑顔、どこもおかしくなんてない。
na「英雄だから」
全て知らないのによく言えるななんて思いたくもないことを思う。
英雄だからというだけで私の事を蔑ろにしている
「…私が復活させたくないって言ったら、どうする?」
na「うーん、そうだな…」
私の側で片膝をつき、目線を合わせて考え込む。
ゆるりとした雰囲気で、日常を纏っている。
考え込む、ということは私が断る事を想定していなかったのだろう。
先生は自分の意見を通したがるから、多分今回も私が負けると思っているのだろう。
さぁ、私を負けさせるために先生はなにをする?
na「…余裕あるね」
「さぁ?魔力カツカツだし余裕はないよ」
na「抵抗できないって事?」
「んーまぁね、でも…」
na「俺が“そこまで”しないって思ってるんだ」
よく見えなかった顔が、笑うのが見えた。
しかしまだ頭がよく回っていないのか、今後の展開が考えられない。
ゆっくり立ち上がると、そのまま私がいるベットに__
「ちょ、ぇそれはッ」
私の腰の上に跨った先生と反射的に距離を取るため
上体を起こし逃げるように後退る。
背中がヘッドボードにぶつかり、止まった。
そんな風に情けなく後ろに下がった私に合わせるように再び跨る。
そして退路を塞ぐようにヘッドボードに両手をつく。
今からなにが始まるのか、想像している事が本当に起きるのか、
不安になって先生を見上げる。
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作者名:白月 | 作成日時:2024年1月5日 13時