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きりやんは1番近くのチャーチチェアに腰掛け、隣に座るように手招きされ
促されるまま隣に座る。
kr「どうせあいつ暫く逃げるから、数時間2人きりじゃん？」
「んーでも、ぶるーくが秘密探るのやめとけって…」
kr「…あぁ、魔導書を読むと危ないって事だよ」
「…確かスマイルも魔導書読んでたら〜って言ってたような…」
きりやんが驚いたような顔で一瞬こちらを見るが、すぐに目線を外した。
おそらく、昨日私がスマイルと話した事だろうが、今じゃない。
kr「…そう、Aも魔導書読んだら危ない人だからね」
「それもぶるーくが言ってたの？」
kr「いや、有名な話」
「…ん？なんで…」
どこで有名？イザベラの存在は一般人は知らないでしょ？
元々知ってたような言い方、ぶるーくから聞いたんじゃないの？
kr「……言っちゃうけど、俺も天使なんだよね」
「そっ…か、へー…えー…」
kr「…あれ、反応薄いな」
「今じゃないかなって…後で驚くわ」
kr「そんな持ち越せる物じゃないでしょ」
微笑みながらそう言い、椅子に座り直す。
出会ったのは結構最近だけど…そうか、確かに老けてないな…
kr「イザベラは悪魔の中で悪い噂が有名だったんだよね
…かなりの権力者だったからそれを盾に事実を隠してたんだ。
でもある日、真偽を確かめるために天使の騎士団が、イザベラの研究所に…」
懐かしむような、なんとも言えないような表情を浮かべ俯く。
kr「悪魔の中では悪い奴だったかもしれないけど、天使達の中では英雄のような存在だった。
残酷な実験の結果得られた物だったとしても、それが俺らを救ったことは確かだ。」
「…きりやんに魔法をかけていたのはどうして？」
kr「俺は…イザベラを追って降りて来たんだけど、イザベラを見つけたとき口封じに…」
…ん？
「待って、イザベラ地上に居るの？」
kr「…あー…イザベラは天界から追放されて堕とされる前に自ら堕ちたんだ。
だからまぁ、ギリギリ天使として地上に居るんだけど、
騎士団の奇襲でほとんど天使としての形は留めていない。
…イザベラっていう自我も無い種が、地上の世界に落ちたんだ。
ぶるーくと俺はそれを見つけて処分するために降りて来た。
あとは…スマイルは騎士団が乗り込む前に証拠隠滅として
天界から記憶を消されてイザベラに落とされたって事くらいかな。
他に何か質問ある？」
「…今イザベラはどこに居るの？」
kr「…Aの心の中」
「は？」
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作者名：白月 | 作成日時：2024年1月5日 13時
