MELT AWAY【WT】 (ページ32)

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「テレポート…」
kn「え？この前魔力がもったいないって言って歩いて行ったじゃん」
「眠いから…靴も履かなきゃいけないし…」
kn「あぁ肩貸すから…ほら歩くよ、体力落ちてるでしょ」
「えー…」

手を引かれて教会を後にする。
2人同時にテレポート出来ないから…手を繋がれてるとテレポート出来ないのを利用されてるな…

教会の後ろに続く幅3mの道を進む。
まっすぐな道の先に見える赤煉瓦の小さな家、
教会にこもってたときは一回も来ていないし久しぶりに来たような気がする．

家の前に着いたとき、玄関前の花壇に咲いている黄色い花が目に入る。
向日葵のような小さな花。9月だから向日葵では無いだろうけど…
普段、と言うか今までこんな花壇なんて置いてなかったと思うのだが…

kn「きりやーん、来たよ」
kr「おーもうすぐ出来るから座って待ってて」

ヴィンテージ調の室内は誰の趣味なのかわからない。
代々あの教会の神父が使っている家だとは聞いているのだが、
どこでヴィンテージ調になったのだろうか
なんてふわっとした疑問を抱きながらキッチンに居るきりやんに話しかける。

「朝ごはんなに？」
kr「フレンチトースト…あ、花壇見た？」
「あーうん、黄色いお花咲いてた、珍しい事するね」
kr「立ち寄ったお店で種が売っててさ、可愛かったから育ててみた」

理由も含めて全て珍しいとしか言えない。

「なんてお花？」
kr「ヤナギバヒマワリって花」

少し誇らしげにそう言うきりやんが、なんだか眩しかった。
その後、ソファの上で寛いでいるきんときを横目にきりやんと2人でフレンチトーストを食べた。
食器を洗って片付けるのを手伝い、きりやんの家を出る。

3人で教会まで戻る途中、思い出したようにきりやんが私に向かって質問を投げかける。

kr「そう言えばさ、俺昨日扉に手紙挟んでたけどなんで中に入ったの？」
「入りたくて入った訳じゃないよ、スマイルに引っ張られて…それで。」
kr「俺スマイルから、Aがきりやんのベットで寝たいって言ってた
　っていうのしか聞いてないんだよ、スマイルの様子も元に戻ってたし…何かあった？」
「んー…まぁ、色々？」
kn「すっごい曖昧だね」
kr「…何も無かったなら良いけど…」

何も無かった訳じゃないけど…結果的に何も無かったのと同じだしまぁ良いか。
無駄な心配させたくないし、もう終わったことだし。

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