✧静かな場所 ページ25
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…
……
目が覚めたのは午前11時だった。
いつもならもう一度ベットに潜ってしまうような時間だが、どうもうまく寝付けなかった。
仕方なく学校へ向かう準備をし、今日も昨日と変わらない朝を過ごす。
学校の給食は生徒と会う確率が高いためあまり食べたくない。
そんなことを思いながら5時間目が始まる時間、午後1時20分に学校に着くように適当に時間を潰し、家を出る。
……
…
保健室の前まで着いたとき、ふと室内から聞こえる声いつもより静かなことに気がつく。
誰もいないのだろうか、いやでもここ以外にシャークんが行く場所なんてないし…そもそも先生くらい居るだろう。
そう思いながら扉を開ける。
保健室内にはいつもの席にシャークんが1人居るだけだった。
sha「うっす」
「うい、先生は?」
sha「出張」
「えー居ないのか」
sha「なんか数日開けるって言ってた」
「養護教諭の仕事じゃないって絶対」
まぁ今日もご飯一食しか食べてないし怒られないと考えれば…
…
やけに静かな保健室はやはり落ち着かない。
そのせいか近くの教室から聞こえる声がいつもより聞こえる。
こんな日に限って本は昨日読み切ってしまったし、することがない。
いつもと同じだがシャークんも今日も参考書を広げているだけで暇そうだ。
sha「…なにそれ、そんなん着けてたっけ」
ふとシャークんが私の右手首に嵌っているバングルを見て言う。
袖の下に隠していたつもりだが光の反射でもあっただろうか。
「あぁコレ…使い魔に着けられたんだよね」
sha「使い魔…あーあのて…」
「…え、今なんか言おうとした?」
sha「いや、なんでもない」
「気になるなー…」
sha「いやいや言わない言わない」
苦笑いしながら目を逸らす仕草でわかる。
おおよそスマイルの苦手なところでも言おうとしたのだろう…
…敵意が強い…とか…?
「…ふっ」
ありそう
sha「…なに笑ってんだよ」
「いーや?なにもないけど?」
sha「気になるな」
「言わない」
スマイル…シャークんに敵意向けてるんだな…なんでだろう、特に不都合があるようには思えないけど。
というかこの2人って顔見知りだっけ?
「シャークん…スマイルの事知ってるの?」
sha「え?俺がお前に誘われて教会行ったときに…」
「あ…あー、あーあーあーあー」
sha「確か…神父が俺の事誤解してるって話、したじゃん」
「そうだっけ」
sha「そうだよ」
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作者名:白月 | 作成日時:2024年1月5日 13時