✧手錠 ページ17
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スマイルの上から滑り降りる。
察したようにきんときが立ち上がり、ソファの肘掛けの上にちょこんと座った。
横目でその様子を見ながらゆったりと船を漕いでいるきりやんに近づく。
「きーりやん？」
kr「ん、なに？もう帰る？」
「うん、今日はおつかれ、ちゃんと寝てね？」
kr「今日はもうこのまま寝るから、また明日」
「はーい、おやすみ」
ベットに吸い込まれるように入っていくきりやんに布団をかけ直し、
足音をできる限り消しながら階段を降りていく。
ソファにはもう誰も居なかった。きっとすでに下に居るだろう。
…きんときはもう教会から居ないかもしれない。
礼拝堂につき、足音が大きくなっていくのを自覚する。
sm「きんときはもうお前ﾝ家に行った」
階段近くの入り口に、立ち塞がるようにスマイルが立っていた。
「…そ、じゃあ待たせるのもなんだし、また明日ね」
sm「あぁ…あ、ちょっと待って」
スマイルが退き扉を開け外に出た瞬間、教会の入り口に熱気が帯びる。
ジッと乾いた音が聞こえた。
sm「あっち」
「軽っ」
スマイルは教会のあるこの森から出ることができない。
完全に敵対関係のぶるーくが貼った結界のせいだ。
…ぶるーくが許可を出せば出れるんだけど…
まぁ私が魔力でぶるーくの代わりに許可を出す事もできるんだけど。
バレたら面倒だし、あんまりやらない。
ちなみに今喰らった物は結界のではなく、悪魔が銀に触れられないからだ。
スマイルが私の腕を掴もうと腕を伸ばした際、腕に扉の装飾部分が触れたのだろう。
紛らわしい。
「んーで、何？なんか言いたい事ありげだね」
sm「…手首出して」
言われたとおり右手首を差し出すとクイッと引っ張られ
…ブレスレットを着けられる。
幅5センチ程の少し太め…バングルって言うんだっけ
シルバーブレスレット、銀製だけど…あ、手袋してるのか
手首までだから装飾部分が腕に当たったってことかな。
ブレスレット…確か意味は＿
sm「意味は言わなくてもわかるよな」
「…永遠、束縛。太いほど束縛の意味合いが強い。」
ブレスレットを回してみる。スマイルが手に通してつけなかったからきっとC型だろう。
そう思って回してみるが、どこにも切り込みがない。
…取れない？
そう思ってスマイルを見ると、いたずらっ子のような笑みを浮かべこちらを見ていた。
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作者名：白月 | 作成日時：2024年1月5日 13時
