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スマイルだけでなくきりやんとも関わっているとなると、つい最近まで生きていたんだろうか。
背凭れに腕を乗せて、2人の顔を交互に見比べる。
「それで？どっちが先に吐く？」
kr「…お、俺は、スマイルの前の主人だったってことくらいしか…」
「天使の使い魔に悪魔…？」
sm「あぁ、まぁなんだ、実験体…みたいな。」
「仲は良かった？」
sm「…最悪だった」
俯きがちに目を逸らし、段々と小さくなっていく声が物語っている。
嫌いだったのに、イザベラの正体を私に隠そうとした。
嫌いだったのに、魔導書を解読しようとした。
嫌いだったのに、今まで私に話そうとしなかった。
…躾か。
「約束っていうのはどんな約束？」
sm「…誰にもこの事を言うなって、そんな感じの約束だった…と思う…」
kr「……イザベラの魔法は記憶と時間を操る魔法だから、その…」
…スマイルと私を交互に見るきりやんは、スマイルの前で話しにくい内容だということを伝えたいのだろう。
きりやんの目を見て、小さく頷く。
「…話してくれてありがとう、スマイル、飴ちゃんもう一個あげる」
sm「いや…まぁ貰っとくわ…」
「じゃあきりやん、星でも見に行きますか」
kr「…うん、ありがと」
意図を汲み取ってくれたきりやんに微笑んで、席を立つ。
スマイルの後ろを通るとき、軽く頭を撫でてから教会の扉へ向かう。
sm「…いいよ、もう過去の事だ」
「過去の事でも今思い出してるから、それも辛いでしょ？」
sm「………うん、そうかもな…」
「隠し事は少ない方がいいから」
sm「…そうだな」
今と過去は、繋がってるけど別物だがら。
教会を出る、きりやんはもう既に壁にもたれて待っていた。
山奥にあるためか、家よりも星が見える。
一際輝く一等星を見つめると、自分も空に浮かんでいるような不思議な気分になる。
「んー…で、詳しく聞こうか」
kr「本当にありがとう…スマイルは、所謂時空の狭間って言って
真っ暗闇の中、イザベラの魔法を実験体として受けてたんだ。」
「…記憶に関する魔法って、消すことしか思い浮かばないけど」
kr「逆だね、スマイルが受けていたのは記憶を無理やり脳に入れる魔法だったらしい」
「あー……なるほどね…」
kr「元々、複数の言語を完璧に読めたり記憶力が良かったから…」
「…イザベラの最高のおもちゃだった…」
悪魔と天使がどういう関係かなんて知らない、ルールも力の差も魔法の差も、何も。
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作者名：白月 | 作成日時：2024年1月5日 13時
