MELT AWAY【WT】 (ページ1)

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✧夢と朝ページ1

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永遠に変わらない日常って素晴らしいと思わない？
同じ1日を知らないうちに繰り返すような、そんな日常。
何かを追う事も、何かに追われる事もない、そんな日常。

いつか終わるなら今終わらせたいなんて考えないでほしい。
永遠だって、きっと何処かにあるはず。

はっと目が覚める。
もう思い出せない夢が、心臓を強く叩いている。

時計に目を向けると13:20と書かれており、5時間目が始まった時刻と重なる。
13:20の数字が、昼夜逆転しかけている事と普通の生徒では無くなった事を知らせる。
……いや、生まれた時から普通ではなかったのだが。

今から準備して学校へ向かえば、生徒とはすれ違わずに保健室へ行けるだろう。
そう考えてベットから降りる。

どうせまともに通わないので1番近い高校を選んだのだが、
徒歩十数分で着いてしまうのは流石に近すぎるだろうか。
なんだかんだ1週間近く休んでしまったので、今日は絶対に行くと決めていたのだ。

制服に着替え、朝ごはんとなる食パンをオーブンに入れる。
遅過ぎる時間に起き、呑気に朝ごはんを食べて暇を潰すために学校に行く。
そんな私の現状を両親が見たらどう思うだろうか。
厳しく叱ってくれるだろうか、はたまたしょうがないと許してくれるだろうか。
それとも、こんな体質に産んでしまった事を後悔するだろうか。

思い出せない夢のせいなのか、普通じゃ無い事を責めるような事を考えてしまう。
普通になれない。普通になりたいわけでは無い。何なら普通にはあまりなりたく無い。

天性の魔法使い、AA。

別に普通を貶しているわけでも下に見てるわけでも無い。
両親から特別だと言われ続けて来たから、きっと自分は特別なんだ。
けれど側から見れば私は普通の人間、
何も知らない人にとっては普通と思うのも無理はないだろう。

私自身周りからそう言われているからそうなのだろうと思っているだけで、
本気で特別な人間だと思っていない。
同じくらい特別な人に囲まれれば特別なんて薄れて見える。
当たり前だ。

考え事をやめ、テキパキと準備していく。
家を出る直前に見た時計は13:45
ギリギリだが5時間目で登校できるだろう。
ほとんどお守りのような不織布マスクをつけて家を出る。

家の鍵を閉め、丁寧にキーケースに仕舞う。
歩き出せば、1日が始まる。

MELT AWAY

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