Kisshug ~ 登坂広臣 ~ ３ (ページ17)

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今日はいつもより少し高めのヒールを履いて、少しだけ時間をかけてメイクをした。

少し早めの休憩で自販機に飲み物を買いに向かっている途中。

向かいから歩いてくる二つの見覚えのある顔に手を振った。

『隆二くんと岩田さん！』

岩「あ、Aちゃん」

私に気づいた岩田さんが手を振り返してくれて、それに気づいた隆二くんもこちらを向いた。

隆「休憩中？」

『うん！隆二くんたちは？』

隆「俺らは今からライブの打ち合わせ」

じゃあもう登坂さんも居るかな。

岩「なんか今日、オシャレじゃない？」

岩田さんが私を上から下まで見ながらそう言った。さすが岩田さん！！！

『やっぱり、分かります？』

岩「あーいいよ！惚気とか聞きたくないから！」

両手で耳を塞ぐフリをしながら何故か隆二くんをチラリと見た岩田さん。

隆「 Aちゃん聞いたよ。良かったね。」

隆二くんはいつものあの笑顔で私をにそう言った。

『ありがとう！隆二くん！』

隆「お幸せにね。じゃあ…俺らそろそろ時間だから… 」

岩「行きましょ隆二さん！またねAちゃん。」

この時の私は彼の笑顔の奥に隠された気持ちに気づくことが出来なかった。

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