俺、怖いよ ページ6
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佐久間side
佐「ねー、阿部ちゃん?」
阿「んー?」
阿部ちゃんが勉強する横で俺は携帯でアニメを見る時間が当たり前になったのはもうずっと前の事。でも、今日はたぶんお互い集中できない。阿部ちゃんはさっきからずっと同じページで手が止まってるし、俺もアニメの内容が全然入ってこなくて画面からはただ音声が流れてるだけだから。
佐「翔太、どう思う?」
阿「翔太って?」
佐「だからー、さっき言ってた事」
「んー、」と動かした手を止めた阿部ちゃんは、考え込むように視線を落とした。マネージャーに呼ばれたAとふっかがレッスンを抜けたほんの少しのあ間。翔太は俺達の顔を見てこう言った。
翔「俺さ、もう遠慮しない。本気でいくから」
その言葉だけで、なにを指しているのか分かってしまう俺達はやっぱりみんな、ずっと同じ気持ちだったんだなって再確認してしまう。
佐「俺、怖いよ」
…ずっとみんなが抑えていたからこそ、俺達は上手くやってこれたのかもしれない。心のどこかでAが誰のものにもならないで欲しいって思ってたから。
佐「こんな事で俺達の仲は崩れないって信じたいけど‥「ちがうでしょ」え?」
阿「佐久間が怖いのは、Aが誰かのものになっちゃう事じゃないの?」
その言葉になにも言い返すことができない。俺は、ずるい。自分に自信がないから、"いい人"を演じてるだけ。
阿「恋愛ってさ、答えがないから難しいよね」
佐「え?」
クスッと笑った阿部ちゃんの目が、真っ直ぐに俺の顔を見つめた。
阿「取られたくないのはみんな同じ…。Aが誰かを選ぶって事は、絶対誰かが選ばれないんだ。傷つくのを恐れて身を引くか、傷ついてでも手に入れたいか…じゃない?」
「だったら俺は、後者でいたい」そう言った阿部ちゃんの笑顔は何かを決意したかのように強かった。でも、掴まれた手はどこか優しくて
阿「勉強みたいにさ、決まった答えがあればいいのに。この問題だけはいくら考えてもわからない。どうしたらいいのか…その答えはないんだよ。
だから、もし佐久間が前者になったとしてもそれは佐久間の中での正解じゃないかな?」
周りから、俺はいつも強いって思われる。でも、それは傷つく事を恐れて強い自分を演じてるだけ…。
その事を阿部ちゃんは誰よりも分かってる。
阿「ね?A」
少しだけ開いた扉から、気まずそうに顔を出したAは無理に作っただろう笑顔を浮かべてた。
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YUME(プロフ) - riri_purukawaさん» コメントありがとうございます(^_^)泣いてしまったなんて…嬉しくて私が泣きそうです(。-_-。)笑続編に移行しますが、そちらもどうぞお願いいたします!! (2020年8月15日 23時) (レス) id: de8f33b569 (このIDを非表示/違反報告)
riri_purukawa(プロフ) - さっくんとのデートのとこで泣いてしまいました(;o;) (2020年8月15日 17時) (レス) id: be778bbdda (このIDを非表示/違反報告)
YUME(プロフ) - 玲さん» コメントありがとうございます(^_^)切なすぎて…ってお言葉嬉しすぎます( ^ω^ )これからも更新頑張るので、ぜひ楽しんでお読み頂けると嬉しいです(*´-`) (2020年8月15日 12時) (レス) id: de8f33b569 (このIDを非表示/違反報告)
玲 - なんかもう切なすぎて……………こっちが泣きそうです…もう誰落ちでもいいから主人公が幸せになったらな、なんて思いながら見てます!こらからも頑張って下さい!!!! (2020年8月14日 22時) (レス) id: f20013ee9d (このIDを非表示/違反報告)
YUME(プロフ) - りなさん» コメントありがとうございます!!私も書きながら、誰と幸せになるのか悩んでしまいます(。-_-。)みんなに幸せになってほしい(。-_-。)これからも楽しみにしていただからように頑張ります!! (2020年8月11日 21時) (レス) id: de8f33b569 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:YUME | 作成日時:2020年7月31日 13時