忘れられてないじゃん ページ29
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『ふっか、私これがいい』
深「そう言えば買ってもらえると思うなよ？」
『買ってくれないの？』
深「いや…買ってやるけど…」
冠番組の収録休憩中、ふっかと2人で自動販売機の前でそんなやり取りを交わす。時間が経つに連れて、以前あったぎこちなさも消えてきた頃だった。
深「ほら、」
『ふふ、ありがとう〜』
差し出されたペットボトルを受け取り、一気に喉に流し込めばしゅわしゅわとした炭酸が痛いくらいに喉を締め付けた。
深「お前…本当色気ねぇな…」
『喉渇いてたんだもん…ふっかこそりんごジュースって子供じゃん』
深「うるせぇ」
前よりも確実に少なくなった胸の痛みは、前に進めてる証拠だと思う。これでいい、この関係性でいい、そう思えてるのだって一つの成長だ。楽屋に戻るふっかの背中を見ながら、そうぼんやりと考えた。
美「…あれ、深澤くん？」
深「美咲さん！！」
…そう、あの人に会うまでは。
美「今日ここで撮影なんだね」
深「はい！美咲さんもっすか？」
美「うん。バラエティの収録でね」
駆け寄って行ったふっかに、優しい笑顔を向ける都築美咲さん。彼女がふっかの好きな人。低めの身長も、大きな目も、淡い栗色の髪をふんわり巻いてナチュラルなメイクも、近くで見れば見るほど可愛らしい。
…あぁ、私全然忘れられてないじゃん。
目の前で嬉しそうに笑うふっかの顔も、少し赤くなった頬も、彼女を見る優しい視線も…全部が私の知らないふっかのようで思わず目を背けた。
『…あ、私先いくね』
この場所にいたくなくて歩き出した私の腕は、2人を追い越そうとした時に強く引っ張られた。
『…え？』
思わず目を疑ったのは、私の腕を掴んだ手はふっかのものではなく細くて長い手だったから。
美「Aちゃん？だよね？ちょっといいかな？」
『え…あの…』
美「前からずっと話してみたかったんだよね」
目を見てわかった。この人、私の事がきっと嫌いなんだ。優しい笑顔を浮かべてはいるけど、目が笑ってない。
『…いいですよ』
紅一点という立場だから、こういうのはもう慣れっこ。大抵の女優さんやアイドルは、私の事を嫉妬か軽蔑の目で見るから。
美「…うれしい。じゃあ、行こっか」
私達の会話を唖然と見るふっかを横目に、先を歩く美咲さんの背中を追って歩き出した。
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YUME(プロフ) - riri_purukawaさん» コメントありがとうございます（＾_＾）泣いてしまったなんて…嬉しくて私が泣きそうです(｡-_-｡)笑続編に移行しますが、そちらもどうぞお願いいたします！！ (2020年8月15日 23時) (
レス) id: de8f33b569 (このIDを非表示/違反報告)
riri_purukawa(プロフ) - さっくんとのデートのとこで泣いてしまいました(;o;) (2020年8月15日 17時) (レス) id: be778bbdda (このIDを非表示/違反報告)
YUME(プロフ) - 玲さん» コメントありがとうございます（＾_＾）切なすぎて…ってお言葉嬉しすぎます( ^ω^ )これからも更新頑張るので、ぜひ楽しんでお読み頂けると嬉しいです(*´-`) (2020年8月15日 12時) (レス) id: de8f33b569 (このIDを非表示/違反報告)
玲 - なんかもう切なすぎて……………こっちが泣きそうです…もう誰落ちでもいいから主人公が幸せになったらな、なんて思いながら見てます！こらからも頑張って下さい！！！！ (2020年8月14日 22時) (レス) id: f20013ee9d (このIDを非表示/違反報告)
YUME(プロフ) - りなさん» コメントありがとうございます！！私も書きながら、誰と幸せになるのか悩んでしまいます(｡-_-｡)みんなに幸せになってほしい(｡-_-｡)これからも楽しみにしていただからように頑張ります！！ (2020年8月11日 21時) (レス) id: de8f33b569 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：YUME
| 作成日時：2020年7月31日 13時
