俺も好きだよ ページ36
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街の人の声すら、聞こえなくなる沈黙。この世界に、私とふっかしかいないようなそんな感覚が襲ってくる。
…言っちゃった。
ふっかは一瞬固まった後、はは、と乾いた笑いをこぼした。
深「何言ってんだよ、今更。知ってるっつーの。Aが俺の事を好きなことくらい」
『ちがっ、あのね』
深「俺も好きだよ、Aの事」
『そうじゃなくて！』
思ったよりも大きく出た声に、ふっかは驚いて目を見開いた。ちがう。違うんだよ。私がふっかを好きと言ったのは…
『そうじゃなくて…恋愛対象として、ふっかがすきなの…』
深「…え？」
『お兄ちゃん…だとか、思った事1度もない』
言えた。ちゃんと言えた。震える声となって飛んで行った言葉は、ずっと伝えたかった事。
今、伝えるのはずるかったかもしれない。でも、いい女だってドキドキしたってふっかのその言葉は私がずっともらいたかった言葉だったから。
少しでもふっかに近づきたくて、大人ぶってた私への最高の褒め言葉なんだ。
深「俺…その…」
深「…ごめん」
ゆっくりとスローモーションのように、胸の奥まで突き刺さったのは謝罪の言葉だった。
深「Aの事…そう言う目で見たことない…」
わかってた。わかってたよ。この告白は自分へのけじめだから。
『うん…知ってる。好きな子が…いるんだもんね』
私よりも、肌が白くて髪が長くて目が大きくてスタイルだってよくてどう見ても性格が良さそうなあの女優。
『ただ…伝えたかっただけだから。…うん、私こそ急にごめんね？』
深「…A、俺」
『ごめっ、今日は1人で帰る』
これ以上この場にいたら、涙が溢れてしまいそうだから。その私の涙を、ふっから見て見ぬ振りができない事もわかっている。
『じゃあ…また』
ふっかの言葉は聞かず、足早に帰り道を歩く。
『ふっ…うぅ…』
1番初めの角を曲がれば、堪えていた涙は待っていたかのように溢れ出した。
大好きだった。初恋だった。でもそれも今日で終わり。
まだ明るい空に、私の泣き声が響き渡った。
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YUME(プロフ) - 杏奈さん» コメントありがとうございます(^^)杏奈さんも片想い歴が長いんですね！私もそうで、書いていて感情移入してしまいます（笑）他のメンバー達もこれからぐいぐいと行かせる予定なので、楽しみにしていてください！これからも更新頑張ります(o^^o) (2020年7月28日 22時) (
レス) id: de8f33b569 (このIDを非表示/違反報告)
杏奈(プロフ) - はじめまして。ふっかさんにずっと片想いする主人公、私も片想い歴か長いので共感しながら読みました。文章が素敵で引き込まれます。他のメンバーからのアプローチも楽しみです！これからも更新頑張って下さい！！ (2020年7月28日 21時) (レス) id: aadbdb729c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：YUME
| 作成日時：2020年7月27日 20時
