208話 ページ46
．
人肌よりも、少し温度を保った風が
吹き抜けていったのち。
いつの間に近くに来ていたのか
振り向けばあと数歩くらいで差が縮まりそうな
位置に、見知らぬ人物が不明瞭に立っていた
「うひあぁっ！！」
『誰よ、アンタ！？』
「はっはっはっは。これは失礼しました」
怯えるハチを背に、ジョーカーがカードを構え
牽制の意を込めて 対峙した相手に鋭い視線を送る。
が、意外にもその人物は朗らかに笑うと
猫のような瞳孔をぎゅうと引き結び、自らの名を名乗った
「私の名はバトラー、こちらのお城で執事をしております」
『城……？
_________なっ！？』
訝しげにしていたジョーカーの顔に
たちまち驚嘆の色が踊る。ハチ達の反応も同様だ。
何故なら、視線の先には
先程までは確かに所在が行方不明だったはずの建物が
雲間から覗く月光に照らされ、その姿を現していたのだから
大きくそびえる城壁は所々ツタが這い、
遠目からでも酷く年季が入っている物だと察しがつく
『月光城…』
「どうぞ、こちらへ…ご主人様がお待ちです」
名前通りの不気味な出で立ちに
思わず、そう呟いてしまうほど。
そうして、バトラーは短く要件を告げると
案内を買って出ると同時。その手にはやたらと古めかしい燭台が握られている。
既に開けられた城の門にバトラーはゆっくりと歩きだす。その拍子に灯された炎が風向きに沿って、ゆらゆらと実体をぼかした
___その後ろ姿を眺めながら、
ジョーカーは何食わぬ顔で1歩踏み出す。
『…さ、行くか。』
「軽っ！？ちょ、ちょっとジョーカーさん！
やめましょうよお…！怪しいっすよ！」
『何？ここまで来といて、引き返すなんてありえないわよ』
「その意見には概ね同意しますけど…
でも、注意した方が良さそうです…！」
あくまで楽観的なジョーカーとは違い、
冷静に警戒心をあらわにする2人をみて
ジョーカーはやれやれといった感じで肩をすくめる
『まったく、情けないわね。
たかだか城一つに何を足踏みしてんのよ
ほら、先いくわよー。』
「あっ、ジョーカーさん！」
そう、言うが早いか。
ジョーカーは歩を進めるのを止めることなく
すたすたと足どり軽やかに城の中へと行ってしまった
仕方なく、ハチもロコもその背を追い
いかにもな怪しさ漂う城に、足を踏み入れたのだった
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カフェオレ。(プロフ) - みくさん» ありがっっとうございます！！私は物語を好きだと言ってくれるあなたが大好きです！！（何言ってだこいつは）お、お仲間がいた〜〜！！その言葉だけで作者は救われます……移り変わる年数に負けず、一緒に怪ジョを推して行きましょう！(ﾉ´∀｀*)コメント感謝です！ (2021年3月20日 17時) (
レス) id: 471c42eeb6 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - この物語本当っっに好きです!!!2021年でもジョーカー好きです！！！！ (2021年3月19日 14時) (レス) id: a9cc5a3073 (このIDを非表示/違反報告)
カフェオレ。(プロフ) - ミナさん» 分かります！シャドウさんとスペードさんかっこ良いですよねー！クイーンさんのあのツンデレっぷりも可愛くて私も大好きです(^ ^)面白いとお褒めいただき光栄です…！コメントありがとうございました！ (2020年5月12日 8時) (レス) id: 471c42eeb6 (このIDを非表示/違反報告)
ミナ(プロフ) - すごく面白いです！私としての推しはスペードもしくはシャドウですね！クイーンも好きですけど。更新頑張って下さい！ (2020年5月11日 9時) (レス) id: c8c6f722e8 (このIDを非表示/違反報告)
カフェオレ。(プロフ) - meiさん» 面白い作品と言って貰えて感無量です…(´；ω；｀)今現在色々と掛け持ち作品の方に熱を上げているため遅れていますが、多分おそらく1週間以内には続きを書き上げますのでお待ちください……！コメントありがとうございました！！ (2020年5月2日 18時) (レス) id: 471c42eeb6 (このIDを非表示/違反報告)
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