film43 呆れ ページ44
✤
ホイッスルの音が鳴り響き、帝国ボールからの試合再開。何とか、持ち込もうと懸命にドリブルで上がっていく帝国。
佐久間は、ギリギリで雷門のマークを振り切ると、辛うじて不動にパスを出した。
「このまま全力を出し続けたら、体力が削られるだけだ！」
「力をセーブしたらますます遅くなるだけだろ!?」
佐久間が思わず立ち止まり、焦ったように言えば、寺門は投げやり気味に反論する。
(そりゃあね。だけど、スピードでは無く体力を温存させる方法はある)
その事に彼らが気づけば……Aは、もどかしそうに走っている帝国を見つめ、品定めでもするように
顎を撫でる。
すると、彼等も気づいたのか、佐久間を筆頭に、一斉にスピードを落として走り始めた。
｢おっ！やるじゃない｣
初めて、自分達で状況を打破するきっかけを見つけた帝国学園に、Aはヒューと口笛を吹くと、意外だったのか、思わず感嘆を零した。
「ちょっと〜。チンタラ走ってやる気あるんでつか〜？」
ゴールポストに手を置き、揶揄する湿川を清々しいほどに無視し、上がっていく帝国学園。
しかし、スピードが落ちたことで、呆気なく雷門にボールを奪われてしまった。
どんどんとスピードの落ちる帝国と対照的に、雷門はボールを奪ったことで活気づいたのか、急速にスピードを上げて、ボールを繋いでいく。
「攻めてこないなら、守ってるだけ無駄だな。」
「半ちゃん、押せ押せのチャンスでゴス！」
一向に攻めてこない帝国、増して最前線にまでMF陣までもが参戦しているこの状態。守りを放棄したくなるのも、当然だろう。
ずっと、動いていないこともあり、力が有り余っているのか、DFの万作と岩戸も、服部の忠告を無視し、攻撃を仕掛けに行ってしまった。
｢あーりゃりゃ。ダメだこりゃ｣
Aらしくもなく、ポジションを放棄し、上がっていく2人を咎めることもなく、やれやれと言った顔で、両手を広げると、呆れ顔で首を左右に振る。
そんな彼女の様子に違和感と不安を感じた杏奈は、
頬に汗を浮かべながら、肩に手を置き、問いかける。
｢ねぇ、A。不味いんじゃないのこれ……
これじゃ、万が一敵に攻め込まれたら……｣
2人しか守りのいない、あまりにスッキリとした雷門ゴールを指さし、杏奈は不安げにAを見つめる。
｢いくらとろくても相手は帝国学園。2人しか守っていないゴールを奪うのは容易いはずよ。｣
数秒の沈黙の後、ほおずえをつき、冷めた声で言い放ったAに、杏奈は益々不安が募ってしまう。
(貴方らしくもない…どうしたのよ？)
(別に呆れてるだけよ)
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シロナ(プロフ) - 愛音さん» リクエストありがとうございます！水神矢くんは、対王帝戦の前後で、雪乃ちゃんを精神的に支えます。絡みは、少し先のお話で予定しているので、お待ちいただければ幸いです！ (2019年3月20日 22時) (
レス) id: 02fecad83b (このIDを非表示/違反報告)
愛音(プロフ) - 水神矢成龍くんとの絡みをお願いします。 (2019年3月20日 21時) (レス) id: 95fbe585e8 (このIDを非表示/違反報告)
シロナ(プロフ) - あんさん» あんさん、リクエストありがとうございます。鬼道さんとは、星章対王帝の試合で沢山絡ませる予定です！せっかくの幼なじみ設定なので、日常での絡みも増やしたいと思っています(*´艸`) (2019年3月20日 11時) (レス) id: 02fecad83b (このIDを非表示/違反報告)
あん - 鬼道さんとの絡みをお願いします。(￣^￣ゞ (2019年3月20日 10時) (レス) id: 8ea3c89cfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sirona | 作成日時：2019年2月28日 20時
