film38 夕焼け ページ39
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1人で帰る帰り道は慣れているのに、今日は何だか余
計に寂しい。言い表しのない感情を胸に抱え、A
は、電車に揺られていた。
電車内には、A以外誰も乗っておらず、貸し切り状態である。
窓の向こうに浮かぶ夕日が、車内にも溶け込み、辺りを優しいオレンジ色に包み込んでいる。
やけに、細く伸びているたった一つの影は、
先程から全く動くことなく、静かにただそこに
あった。
｢みんなに会いたいなぁ……｣
窓の外の茜色の景色を見つめ、Aはぼんやりとした瞳で、呟いた。
その声は、誰の耳にも入ることなく
車内に虚しく響く。
｢湿川陰……｣
Aは、窓の外から手元のバインダーに、視線を移した。
帝国学園の新入部員。彼の名字に聞き覚えのあるあたり、恐らく何処かのお偉いさんのボンボンだろう。
Aは、数秒、写真の中の彼の妙に自信満々な顔を、見つめると、あまり興味が無いのか直ぐに窓の外に、視線を戻した。
｢みんな元気かなぁ……｣
ほおずえをつき、窓の外に浮かぶビルを眺める。
頭に浮かぶのは、かつての雷門の仲間たちの笑顔…
1年前に、各々が派遣されてから、チームの育成に
忙しく、なかなか会う機会が減ってしまった。
Aは、雷門に強化委員として、派遣される前は、
監査役として、資料を集める為、全国を頻繁に行っ
たり来たりしていたが、それでも、ここ1年ほど
地方組とは会っていない。
ハア。と思わず溜息を零すと、Aは、椅子に座り直し、写真を愛おしそうに抱きしめる。
ーまた、みんなに会えますようにー
祈るように、目を閉じると、彼女をつつみこむよう
に、夕日の光が差し込んだ。
30分もすれば、電車は止まり、Aはカバンを小脇に、急ぎ足で雷門中へと向かう。
到着し、グラウンドへ向かおうとすると、何処からか名前を呼ぶ声が聞こえた。
｢おーい！Aちゃーん！｣
｢つくしさん、杏奈。どうしたんですか？｣
余程急いでいたのか、肩で呼吸をする二人に、Aが只事ではないと、駆け寄ると、つくしは有無を言わさず、Aの腕を引っ張り、彼女をグラウンドへと連れていく。
｢大変なの！みんなが！！｣
2人に連れていかれた先には、グラウンドで折り重なるようにして倒れ込んでいる明日人達の姿が。
ユニフォームは、泥だらけで見る影もない。
あまりに酷い状況に、Aはこめかみを抑えると、今日何度目とも分からない溜息を零したのだった。
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シロナ(プロフ) - 愛音さん» リクエストありがとうございます！水神矢くんは、対王帝戦の前後で、雪乃ちゃんを精神的に支えます。絡みは、少し先のお話で予定しているので、お待ちいただければ幸いです！ (2019年3月20日 22時) (
レス) id: 02fecad83b (このIDを非表示/違反報告)
愛音(プロフ) - 水神矢成龍くんとの絡みをお願いします。 (2019年3月20日 21時) (レス) id: 95fbe585e8 (このIDを非表示/違反報告)
シロナ(プロフ) - あんさん» あんさん、リクエストありがとうございます。鬼道さんとは、星章対王帝の試合で沢山絡ませる予定です！せっかくの幼なじみ設定なので、日常での絡みも増やしたいと思っています(*´艸`) (2019年3月20日 11時) (レス) id: 02fecad83b (このIDを非表示/違反報告)
あん - 鬼道さんとの絡みをお願いします。(￣^￣ゞ (2019年3月20日 10時) (レス) id: 8ea3c89cfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sirona | 作成日時：2019年2月28日 20時
