ソードアート・オンライン ─終わりの見えない世界に響く歌─ (ページ17)

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episode 016 ページ17

＿アインクラッド第76層アークソフィアの街『エギルの店』にて＿

この店の店主であろう男と話をしている、小柄な黒い剣士…。

その後ろには、3人の少女。

黒の剣士は店主であろう男に、何やら頼み事をしているようだ。

「すまんエギル、しばらくの間でいい、彼女達をここにいさせてくれないか？」

「あぁ、それは別に構わんが…そこの黒髪の嬢ちゃんは初めて見る顔だな。なんだ、また厄介ごとに首突っ込んだのか？」

「…色々あったんだよ…」

店主改めエギルの言葉に、呆れを含む溜め息をつき、キリトはカウンターに項垂れた。

そんなキリトを見て、はっはっは、と豪快に笑うエギル。

…と、するとカナデとツバサに気づいたエギルの『お、中ボスレベルのモンスターを倒した凄腕姉ちゃん達じゃないか！オレはエギル、よろしく頼むな』と、それに快く返事をするカナデの声が聞こえた…。

一体何故、彼らがここにいるのかというと……。

＿＿＿＿＿＿

シノンが完全に覚醒すると、キリトは、とりあえず3人(カナデ、ツバサ、少女改めシノン)が休める場所がないかとフルに思考を働かせた。

(何せ、カナデとツバサはこのアインクラッドにやって来るや否や、目の前に現れたモンスターをすぐに倒してしまったのだ。

通常なら攻略メンバーで挑むレベルのモンスターを、たった2人で倒した…。

確かに2人は強い。

けれど、いくら2人が強いとしても、精神的に疲れていない訳がない。

突然、この『アインクラッド』という謎の場所に連れてこられ、現実世界に戻れない事を知り、不安にならない者などいないだろう。

そして、シノンに関しては途中参加の形でやって来た影響であろうか…。

プログラム上、アバター等には問題ないようだが、どうも彼女の顔色はすぐれない。

それらを観察した結果、キリトは3人をどこかで休ませようと思ったのだ。)

結果、たどり着いた答えが中央広場地区にある『エギルの店』だった、という事だ。

＿＿＿＿＿＿

…ふと、項垂れていたキリトに、メッセージ受諾のサウンドが聞こえた。

アスナからのメッセージだ。

…どうやらアスナも、リズベットとシリカを、ここ『エギルの店』に連れてくるようだ。

これは…賑やかになりそうだ。

((そう言えば、リズとシリカには3人の事を紹介してなかったな。丁度いい、アスナ達が来たら自己紹介でもしてもらおうかな…。仲良くやってくれるといいんだが…))

そんな事を、ふと考えたキリト…。