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急遽ショッピング 裏話 5 ページ7





「だとさ〜」

ほら、告白の返事してあげなよと霧璃歌は意地悪く笑う

「えー、こういうのは困るんだけどなー」
「意外。バサッとフるか受け入れたうえで速攻別れるのかと思った」
「ひど。キリューちゃん、オレのこと鬼畜か何かだと思ってない?」
「思ってるけど?」

狂ったように叫び散らかす店員をよそに二人は呑気にどうでもいい会話

「うそようそよゆるさないゆるさない!!
 ――ねェ、私だけよね? あなたの愛しい人は私だけよね? 今ならあなたがこの女と浮気したこと許してあげるから‥‥ねぇッ!!」

「「うわー‥」」

店員は血走った目で微笑みながらギラギラした視線を向ける
そんな光景を二人してドン引きした様子で一歩下がる

(キャラ変しすぎでしょ‥‥。コワ
 というか、さっきまであんな怯えてたのに、今はこんなに吹っ切れた様子‥‥もしかして、薬でもやってる? でもなー、どっちかというとメンヘラとかヤンデレとかそっちの方だよな‥‥

 あー、どっちにしても面倒くさい)

 うんざりと面倒くさい雰囲気を前面に出して、霧璃歌は灰谷兄に任せる(押し付ける)ことにした

「うん。あとは任せた灰谷兄。もうそろいかないと灰谷弟の方が心配するから私は行くね☆」
「え、待って。マジでお願いだから待って☆」

離して♡
イヤだ♡

 無言で離せ離さないの攻防をする霧璃歌と灰谷兄。またしても店員が一人置いてけぼりにされている

「‥‥まじで私は無関係。帰らせて頂く」
「え、ちょッ、マジで本気でお願い」

 すぅっと冷えた目をしてくるんと手の拘束から抜け出した霧璃歌を灰谷兄はうわこれ本気だと悟り、珍しく顔に焦りを浮かべ、待て待てと追う。それが置いてけぼりにされた店員の怒りに火を付けるとも知らずに

「ねぇ、私のこと好きよね?好きなのよね?こんなおんなのことなんて好きじゃないわよね?私だけよね?――――私だけっつってんでしょっ!!!」

 その人から離れてっと掴みかかろうとしてきた店員。めんどくさとため息を吐いた霧璃歌はさ待ってきた灰谷兄をとんと後ろに押して“愛し合うモノ同士”をくっつかせてあげる

(付き合ってらんね〜)

「ちょっ」
「蘭さんっ!」

 二つの意味で目の色を変えた二人が倒れこむ

「巻き込まないでくれる?灰谷兄」

 どんな一日だよと冷めた眼ではぁともう一度溜息を吐いて「お幸せに」と皮肉気に口端を吊り上げて二人を背に、足を動かす

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作者名:潮見 不可 | 作成日時:2023年2月11日 20時

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