検索窓
今日:1 hit、昨日:13 hit、合計:1,157 hit

急遽ショッピング 裏話 3 ページ5





さて、ここまでわかって、霧璃歌は「どーしよーかな」と考えた

(あの態度だと灰谷兄はわかってそうだしなー)


という訳だ

うーんと大して時間が無い中で霧璃歌は考える
何もなかったことにするのは簡単。だが、面倒くさそうだし、春千夜に知られたら厄介なことになるかもしれない。めんどくさい
かといって「この程度、子供のじゃれあいのような茶々(嫌がらせ)にもっともらしく文句をつけるのもなー」とまた面倒くささが勝つ

(そもそもー、あれって灰谷兄がまいた種じゃねー?)

私何もしてないのに閉じ込められるって確実に灰谷案件、と、もう灰谷に丸投げしようかなんて気持ちが芽生えてくる、が「灰谷兄に丸投げしたら放置か殺すの二択しかないような気がする‥‥」と踏みとどまった

ということで

「忠告くらいにしておきますか〜」

さんざん悩んだ挙句、無難な所へ着地
同時に灰谷兄らも霧璃歌の視界に現れる

「お、キリューちゃん、無事?」
「無事? じゃないでしょ、灰谷兄ィ〜‥」

「!‥ッ‥‥」

なんなん? 「無事」ってなんなん?
倒れてなかったことか? それともちゃんと店内にいたことか?
どちらにしても微妙ー。ていうか軽いなおい

とまァ、茶番はさておき
後ろから引き留めるように付いてきた女店員は青い顔。紛れもなくの“あたり”だ


「どうして‥‥‥」

店員は青ざめた唇をふるわせて、呆然と言った

「“どうして”ね〜‥‥
 それは、「どうして、ここにいるの?」、「どうして、抜け出せたの?」

 そんなトコ?」

「‥‥そ、それは‥‥」
「えー、なにキリューちゃん、閉じ込められたの?」

顔を青ざめさせるどころか、小刻みにふるえ始める店員
やばーと、対して驚く様子なくけらけら面白がる気満々な灰谷兄と対照的な二人

「他人事かい? ひどー」
「いや、面白いじゃん? どこに閉じ込められたの?」
「トイレ」
「‥めっちゃ原始的」

軽薄な雰囲気を崩さず、へぇと片眉を上げ、薄く笑みを()いた灰谷兄の姿に店員は顔をさらに青ざめさせ、ぐっと唇を噛み締め、身体をふるわせる

急遽ショッピング 裏話 4→←急遽ショッピング 裏話 2



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
5人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:潮見 不可 | 作成日時:2023年2月11日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。