元伍番隊副隊長シリーズ番外編 (ページ2)

今日:11 hit、昨日:1 hit、合計:1,154 hit

ボツになった霧璃歌、登場シーン　後ページ2

・

通話が切れて、真っ暗になったスマホを手に、また、霧璃歌は電話をかけ始める
誰にって？
もちろん、春千夜のところだ

マンジローも見ているだけの、傍観一方なので何ら問題はないだろう

チンッ

ちょうどいいタイミングでエレベーターも春千夜がいる、１０階に到着した

『あぁ～、今度はなんだよ！』

「私、キリ―さん
　今、１０階にいるの」

酷くいらだった様子で電話に出た春千夜に霧璃歌は先を行くマンジローに付いて歩きながら、次なる台詞を投入する

もう、皆さんお判り

霧璃歌がやりたいのは、ようはあれ
心霊話の有名どころ、〇リーさんだ

マンジローはとっくのとうに気付いている
その上で、傍観している
酷い奴だ

なんともあほらしく、バカらしい霧璃歌の考えだが、本人は真剣

春千夜が怖がっているかどうかなんて、霧璃歌には二の次だ
準備している時が一番楽しんだよね～とは霧璃歌の言だ。もう準備からのぶっつけ本番ではあるが

(さあさ、思いっきりリアクションしてくれよ～、千夜ちゃん)

安心しろ。たぶん、本人は色んな意味で十分にリアクションし(怖れ)ている

『！！』

「私、キリ―さん
　今、あなたの部屋の目の前にいるの」

『何なんだ、お前！！』

焦ったように叫ぶ春千夜の声が目の前の部屋から、そしてスマホからも響く

ギイィッ

霧璃歌のおふざけにノリノリで乗るように非常に雰囲気ある音で開け放たれる扉
さぁ、あと一押し

「私、キリューさん
　今、あなたの目の前にいるの」

『！！‥‥‥は』

呆然と突っ立ってる懐かしの春千夜
その顔は１０年前と何ら変わりなく、ぽっかーんと顎が外れそうなほどに開いた口。驚きを揺らす瞳。霧璃歌がけらけら笑いながらいじりまくった“千夜ちゃん”そのもの
強いて変わっているところを言えば、髪型が変わっているぐらいだった

「は‥‥‥マイキー」

春千夜の視線がニコニコ笑う霧璃歌、後ろで気まずそうにしている万次郎と、言ったり来たりで姿を捉える

「やぁ、“千夜ちゃん”？」

「高千穂‥‥‥」

久しぶりだねと笑う霧璃歌にようやく何が起こっているのか現実がつかめてきた春千夜がじりじりと表情を変えていく

この後、激怒を超えて憤怒になった春千夜が窓ガラスを割りそうなほどの大音量で叫び(怒り)、霧璃歌に逆切れされ、万次郎にもいさめられるのをまだ、誰も知らない

＊＊＊＊＊＊＊

観覧感謝

尚、周りの奴は何が起こっているのか解らない