月日の苑【鬼滅の刃】 (ページ44)

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長年の癖は滅茶危険。油断も危険。敵地の胃袋の中はもっと危険ページ44

肆拾四。

　さて、場所は変わりまして、藤重山
　無事到着後、心霊怪談噺にでも出てきそうな白と黒の髪色をした双子の少女の案内により、現在最終選別真っ只中
　いやー、開始早々、襲い掛かってきた鬼をいつもの癖でパチンッと血気術を使い、塵にかえした後、上空を悠々と飛翔する烏を見つけた時は滅茶苦茶心臓バックバクだった
　ヤバい、見られたかも！とそれはもう鬼生至上過去最高級に焦ったけど、どうやら見られてはいなかったようで、しばらくへなへなとその場で蹲ってた

「ああぁー‥‥‥緊張した」

　ここでまず学んだことは試験は滅茶苦茶緊張するってこと
　――とは言っても監督官役なのかその数秒後に別の烏がちらちらと私の様子を見ているようだから気は抜けない。まぁ、私が血気術使わなければいいだけの話だから何も心配することはない。私は過去の過ちを学びに活かせる超絶優秀ないい子ちゃんなのだ。ついでに強いし。私、呼吸使えないけど素の筋力(パワー)で日輪等を使って鬼の首を落とせるし
　正直に言うと受からない＝死ぬかもしれないという類の心配は全くしてない。逆に皆さん、私が普通の鬼に負けると思います？んなわけ。呼吸使えない云々て言われたらその時はその時だけど、呼吸使えなくても筋力で鬼の首落とせるんだったら普通に合格にするよ私だったら

　そんなわけで私が今ここですべきなのは新呼吸制作だ！(少し前の建前はそこらへんにでも棄てといて～)

「といっても、どうすればいいのかわからな～い」

　ぶら～ん
　私が乗ってもビクともしない太い木の枝に足を引っかけてしばしの宙ぶらりん
　こういう恐怖感(スリル)を煽る行為が意外と好きな私――お師匠さんとこは竹ばかりだったので出来なかった

「‥‥‥」

　――正直言って、新たに呼吸を生み出すことほど難しいことはない、というのが私の結論だ

　まず、新しい呼吸＝既存の呼吸の技とは被らないモノという方程式が真理としてあり、かつ、それを呼吸として成り立たせる、つまりは身体(ヒトの身)で十分に扱える無理のないモノ。そして「～の呼吸」とあるように最低で五個以上は生み出さなければいけない。別に何個～とかいう基準があろうがなかろうがどうでもいいのだ。ただ、私が最低五個以上はなければ呼吸とは認めないということで、まぁ、つまるところ、言うだけ言っといて終着地点を更に私が高くしてしまっているだけだ