皆さん、いつも心の中に(※これはフィクションです)をよろしく! ページ36
参拾五。
――鬼殺隊って知ってる?
「‥‥‥」
「‥‥‥」
空気が一気に冷えるのを肌で感じた。‥‥なーんて、そんな知覚器官は無い。ノリです
あれおじさんも硬い表情してると意外に思いながら、なにも気づいていない風に返事を待たず、独り話し続ける
「二年ぐらい前だったかな。私が十四の時、仲の良かった女の子の友達が帰り道、何者かに襲われて殺されちゃったの」
はっと息を呑む音が聞こえた。はて、誰だろう
「許せなかったなぁ、その“何者か”が
突然消えたって現場にさ、その子の着物の一部と赤い血が飛び散ってて、変に生々しくて、‥‥あとでその子の痛いと思われるばらばらの肉片が見つかったんだけど、そこまでは怖くて見れなかった
その一週間後に今度は大の大人が殺された。その更に一週間後には幼い子供二人が消えて殺された」
ふっと遠くを見つめて“なるべく感情を出さない様に務めてる”みたいな顔を意識してぐっと唇を噛みながら続けた
「その一か月後だったかな、隣町でも同じようなことが起き始めた。皆、警戒して夜に出歩かなくなったしね
‥‥それで、不用心にもよっぱらた夫が家の戸を閉め忘れて一家惨殺が起こった次の夜に、その“何者か”が鬼殺隊を名乗る人に斬られた
――私の友人だったよ」
伏せていた顔を上げると顔を固くした鉄穴森さんとぎりっと強く歯を食いしばるおじさんがいた。思わず笑ってしまう
「鬼殺隊の人がね、彼女は鬼の始祖に襲われて鬼にされた。それが彼女に成れの果てだって言った」
「‥‥‥」
「‥‥‥」
「私ね、許せなかったんだ。たくさんのひとを殺したその子でもなく、その子を結果として殺した鬼殺隊でもなく、鬼にした始祖とやらが」
ごくりと何処からか唾を呑む音
「私、鬼殺隊の一員になりたいの。出来れば、その始祖を自分の手で殺したい。‥‥まぁ、その子の事なんて何一つ覚えてないだろうけどね」
「でもさ、うち、家が厳しいの。ろくに外出なんてさせてもらえないし、今日だって頑張って抜け出してきたんだよ?‥‥その代わり、お金はいっぱいあるけど」
あはっと笑って見せる。残念ながらつられて笑ってくれる人は誰も居なかった。残念
「直談判したこともあるんだけど、お前が入る必要はないって突っぱねられちゃって、それから一年ぐらい軟禁生活だった。‥‥ようやく、近頃緩くなってきて、家を出ようって決めたら、縁談があるってさ
――もう地獄だよね」
「――うちに来い」
勧誘からの衝撃的な事実発覚!‥‥もしかして初めから私の事狙ってた?→←なんか爆速で断っちゃってすみません。でも今日は私のステージなんで
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三月の専属ストーカーなつめみく - これ誰オチになるんだろ…いやまさかオチなし?!だがそれもまたよし((( (10月21日 17時) (レス) @page45 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:潮見 不可 | 作成日時:2023年4月25日 0時