出会って三日目で好かれる要素がわからない。何でこんなことに‥‥ ページ34
参拾三。
「‥‥‥えっ」
はい、時間が経つのは早いもので一週間後です。今日です
今日は陽ざしが思いのほか強いのでさっさとお店の中に入って涼みたいところなんですけど、そうも出来ない
「‥‥‥」
「‥‥‥」
何故かって言うと、風鈴さんが腕組みをして店の前(というか道のど真ん中)で仁王立ちで待ち構えていたからです
えー‥‥何してんの?しかも、また同じように鉄穴森さんとおじさんに見守られて‥‥。よかったぁ、いつもいくらか道を曲がったところで転移してきて。割とめんどくさいからやりたくないんだけど、やっててよかったぁ。せっかく交友関係広げたのにお陀仏にするのは心苦しいからね
「――えーっと、風鈴さん?なにしてんの?」
「‥‥‥嬢ちゃんを待っていた」
「いや、待ってなくてもちゃんと来るけど」
じろじろと滅茶苦茶道行く人に見られていることも意に返さず、ここで話を続けようとしたのでやむなく(ぜんぜんやむなくじゃない。早く屋内に入らせてくれ)、ぐいぐい引っ張ってお店の中に。そもそもひょっとこお面で道のど真ん中で突っ立っていること自体不審の塊だよ。不審者だよ。なんで警邏の人来なかったんだろ
「で、どうしたの?背後に色々と厳つい守護霊引き連れて」
「?‥‥なんでもない」
「いや、なんでもなくはないでしょ」
「‥‥‥」
「‥‥‥」
えー、只今会話が困難な状況となっております。周囲の皆さまに置かれましては、私の背後で「しっかり!」「少女が逃げる前に、早く!」などと書かれた看板を掲げませんようお願い申し上げます
「‥‥‥」
「‥‥‥」
なおも続く沈黙
‥‥えっと、さっきの守護霊ってのは来た時の仁王像の如き迫力と風鈴さんの保護者二名の事をかけて言ってます。たぶん風鈴さんは分ってなかった。いや、鈍いなー、おい
うーん、どうしたものか。よく
「――嬢ちゃん」
おっ!
風鈴さんがぐっと顔を顰めたかと思えば、きりっとした表情(※雰囲気)で口を開いた
「うん?」
「嬢ちゃん、おれと‥‥――」
わくわくっと背後から空気違いの期待の視線を感じる
「おれと付き合ってくれ!」
「え、ごめんなさい」
「なんで!!」
なんか爆速で断っちゃってすみません。でも今日は私のステージなんで→←ちょっと帰って良いですか。‥‥戦略的撤退です。ちゃんと次も行くし
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三月の専属ストーカーなつめみく - これ誰オチになるんだろ…いやまさかオチなし?!だがそれもまたよし((( (10月21日 17時) (レス) @page45 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:潮見 不可 | 作成日時:2023年4月25日 0時