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旅の道中(※近場の散策程度)での出会いは珍妙で愉快に ページ22

弐拾一。



「あぁ、店主。いつもので頼む」

 ひょっとこお面の人はまだ注文をしていなかったのか、常連らしいやり取りでおじさん(店主)に頼む。…なんか、私より常連らしいやり取りじゃない? なんか敗北感

「“はがねづか”? 随分難しいお名前だね。風鈴さん」
「! 嬢ちゃん、おれの名前、知っているのか?」

 まさか心でも読んだか?とキョロキョロする風鈴さん

「え? だって、おじさんが言ってたじゃん、はがねづかって」
「いや、そっちじゃない」
「どっち?」

 うろたえたように目をあちこちに彷徨わせる風鈴さん。はがねづかって名前はちょっと堅苦しいから勝手に外見の印象から呼ばせてもらうよ。それにしてもひょっとこ面、自分の顔のように操るんだね。私、知らなかったよ。ひょっとこ面を被っててもそんな器用に感情表現できるなんて

「風鈴だ」
「あ、そっち。可愛いね、名前」
「言うな‥」
「んぅ? ひひふぉおもうへど(良いと思うけど)。ん、美味しい〜! 可愛いし、涼やかだし」

 ちょっと行儀が悪いけど、タレがつかない様に食べなきゃいけないから変顔になった。うま

「可愛いって連呼すんな」
「可愛い〜!」
「やめろ!」

 わー、初対面の知らない人にはたかれたー。全く痛くないけど、いたーい! …風鈴さん、微妙そうな顔するのやめて?

「‥‥なんだ、本当に知らんかったのか」
「だって、その笠に風鈴吊るしてるでしょ? ひょっとこさんって云うのも芸が無いなって思って」

 だから、風鈴さん
 そう云いながらみたらし団子を頬張ると、見計らったように風鈴さんの手にみたらし団子が置かれた

「あ、風鈴さんもみたらし団子だ。好きなの?」
「大好物だ」
「へー。‥もしかして、それで私に話しかけてきたの?」
「‥‥ああ、うんまそうに、幸せそうに食べとったからな」
「光栄光栄」
「実際は阿呆の娘やったが」

 ・・・
 え、私が阿呆だって?

「もう一度お願い」
「‥‥‥」

 私の記憶が間違っていないという事を証明するためにもう一度お願い(アンコール)したら、無視された。風鈴さんが言ったのに…

「あ、おじさーん、おかわりくださーい! 次はあんこで!」
「まいどっ」
「無視か、ひどい嬢ちゃんだな」
「最初に無視したのは風鈴さんだけどね」

 のほほんと付かず離れずの空気感を見事に演出する私たち。これで私が阿呆の娘扱いされたことは忘れ去られたはず

みたらし以外の団子は全て外道らしいです(※風鈴評)。餡こうまっ→←みたらし団子とひょっとこお面と朝焼けと風鈴の出会い



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三月の専属ストーカーなつめみく - これ誰オチになるんだろ…いやまさかオチなし?!だがそれもまたよし((( (10月21日 17時) (レス) @page45 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:潮見 不可 | 作成日時:2023年4月25日 0時

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