月日の苑【鬼滅の刃】

怒りが続くのは６秒というけども、(少なくとも)私の場合はそうじゃないみたい ページ19

拾捌。



「‥‥‥‥‥姫、‥‥‥今‥‥なんと‥‥‥？」

　黒ちゃんは六つもある瞳を大きく見開いて――信じられないことを聞いたとばかりに――言葉を探すようにゆっくり聞いてくる

「ん？ 刀、教えてーって言った」

　黒死牟もついにボケたかな。この私でさえもなっちゃったみたいだから黒死牟はもっとなってるよね。なんでもっと前から気付かなかったんだろう。今度から全力でいたわってあげなきゃ。黒死牟もおじいちゃんなんだから。あ、この論理(ロジカル)でいくとむーざんもそうなっちゃうけど‥‥、あのヒトはないね。ないない。あ、でもキレやすいのは老人ならではなのかな‥‥。うわ、どうしよう、あんまり知りたくないことに気付いちゃったかも‥‥‥

「刀、を？ ‥‥‥‥‥‥ずっと、拒否し続けていた、貴方様が？」
「うん？ 何か文句があるのかな？」

　ぶっ殺すぞテメエ
　ちょっとキャラが変わってしまいそうなのでどうでもいいことを考えて怒りを抑える。怒りの状態が続くのは通常６秒間らしいのでそれまで我慢できればそれはもう終わったも同然。あ、姫というのはこの無限城での私の呼び名です(※主に黒死牟)。ちゃんとした呼び名はあるし、姫ってキャラでもないんだけど、まぁ、なんかそうなってます。普通に名前で呼んでくれてもいいのに‥‥。あと、拒否し続けていたと言うのも語弊がある。誤解だ。誤解。私はね、ちょっと忙しかっただけなんだ。観察と検証と実行に。最初の２０年ぐらいは黒死牟も根気強く誘ってくれたんだけどね、それ以上に夢中だったから頭に入ってなかった。だからさ、それは謝るから拒否し続けていたとかいう勘違いと大いなる誤解を招くような言い方はやめて？
　――‥‥おかしいな、６秒で終わるはずなんじゃないのか。あ、そういえば私、鬼だったわ。通常(人間)と比べちゃいけないよね。反省

「あ、あの姫が‥‥‥‥」
「文句があるなら聞くよ？？」

　感無量といった具合にくッと目頭を押さえる黒死牟――やっぱり、老いた？ 涙もろいとかご老人の典型的な症状じゃん
　おー、ふざけてるんですかね。死にたいのかな？ 斬新な自害方法だね。割と他力本願な方法だけど、死にたいというなら喜んで協力するぞ？？ うん？

「‥‥‥‥‥失礼。‥‥姫の為なら‥‥‥喜んで指南させていただく」
「よかった。黒ちゃんなら引き受けてくれると思った。よろしくね」

　つきましてはちょっと刀でオハナシしようか

これは鬼と人間の長い歴史を遡らないといけないやつですね。理解→←生存本能は退屈という飢餓感に劣ってしまうというのが私の真理

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