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生存本能は退屈という飢餓感に劣ってしまうというのが私の真理 ページ18

拾漆。



 この百年、一通りの鬼の生態は調べて、実験しまくった。無惨が教えてくれた血鬼術も一年足らずで使えるようになったし、なんだったら日光もある程度の耐性が出来た。やり方教えたらドン引きされたけど。百年もかかったのはちょっとのんびりしすぎたかなと反省してる。でもさ、そもそも時間が足らないのですよ。我々、夜にしか活動できないし。まぁ、大して人間と変わらないんだけど
 私という始祖()のこともちょっとは分ってきたと思いますよ。たぶん。まぁ、それは後日

 そんな大して面白みのない百年を送ってきたわけですけど、やってないこと、というか興味の対象がまだ残っているのですよ。いやね、やりたくなかったわけではないのです。ただ、ちょっと危険かなって思ったから時期を見計らってただけで――

「やっぱり、鬼殺隊だよね」

 つまりは!
 危機感はどうしようもない退屈に負けてしまうという事です

「――‥‥あ、でもどうしよう」

 私、刀使えない‥‥
 がーん。がーん、だ。すっかり忘れていた。何回か鬼殺隊と接触したことはあるけど、刀うんぬんより、呼吸の方が頭に残っていたから‥‥、って、呼吸も出来なきゃいけないじゃん‥‥。あー、やっぱりなんとなく考えるだけは駄目だなー。実行に移すならば色々と考えることがあるのは常ではないか。どうやら、私はちょっとボケてたみたい。いやだいやだ、外見は全く変わらないのに、思考だけが凝り固まっていくのは。よし、これはあれだね。本格的に外に出て、柔らかくしてこないと!
 そうと決まれば――

「黒ちゃ〜〜〜〜〜ん!!」

 身を起こして、思いっきり叫ぶ
 と、

「――お呼びか」
「うん。呼んだ」

 音もなく、ただゆらりと風景が歪んだ瞬間、大柄な男が現れる
 黒死牟サンだ。御年うん千年。たぶん。けど、無惨の一番古い部下であることは間違いない。だって無惨(本人)が言ってたし。まぁ、生後百年の生まれたてである私にとっては大先輩であるわけで、同時に無惨から直々に課せられた私のお守り役である。‥‥失礼な! 私は子供じゃないし、手のかかる人間でもない! まぁ、何千年も生きてる人たちから見たら生後百年なんて小娘も小娘だろうけど、それでも歩くことのできない赤ん坊じゃないんだから。せめてお目付け役と言ってほしい。ちなみに私は親しみを込めて黒ちゃんと呼んでいる

「――ねぇ、黒ちゃん。私に刀を教えてほしいんだけど」

怒りが続くのは6秒というけども、(少なくとも)私の場合はそうじゃないみたい→←過去を振り返り、反芻する行為は記憶を定着させるのに良いらしい



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三月の専属ストーカーなつめみく - これ誰オチになるんだろ…いやまさかオチなし?!だがそれもまたよし((( (10月21日 17時) (レス) @page45 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:潮見 不可 | 作成日時:2023年4月25日 0時

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