凪君との出会い 2 ページ8
6.
「‥‥凪誠士郎‥‥チッ‥」
「え、なんか言った? 水倉さん」
「何でもないわ。気にしないで」
友人との会話中だったことを思い出して、素知らぬふりで取り繕う
今日は先日行われた社会のテストの返却日
今回は少し難しかったが、灯鶴はいつも通りの高得点、92点だった
いつもだったら、大満足な結果、
だが、だが!!
見てしまったのだ
前々からいけ好かなく、気に食わないと思っていた
点数は97点。灯鶴をしのぐ、第一位の成績だ
ショックを受けた。なぜかって?
灯鶴が記憶を少し巻き戻すと、やつはテスト中にもかかわらず早々に解き終え、居眠りをしていたからだ
こんなやつに私は負けたのか
そんなふつふつとしたマグマのような怒りと悔しさが一瞬にして灯鶴の中に湧き上がる
不覚だった。今世紀一生の不覚だった
天才を嗅ぎ取る嗅覚、感は一級のものだと思っていたが、ぬかった
あまりにも今まで出会って来た“天才”とは毛色は違った
だから、気付かなかったとは言い訳になるのだろう
だが、学校をなめてるとしか思えない凪誠士郎の態度に灯鶴は思考を「いけ好かない、気に食わない」に一点を占められてしまったのだ
反省する点と言えば、ここだろう
なめている態度は天才特有のものだというのに(偏見)
悪態を吐きたい気持ちをなんとか心の中に推しとどめ、友人と朗らかにうふふと会話をする
いまだ、かつてこんなにもイライラし、心底嫌った“天才”がいただろうか
そう、自身で問いかけたくなるような心地さえしてくる、ぐうたら天才野郎。それが凪誠士郎だった
「‥‥もう、帰ろうかしら‥‥‥」
「え、水倉さん、大丈夫? 具合悪い?」
*******
灯鶴は外面いいです。丁寧で育ちの良さが伝わるような話し方を意識しています
『凪君との出会い』と口調が違うのは仲が良くなってくだけているから
81人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
慣慣(プロフ) - ハッカ油さん» 更新の励みになります!有難う御座います! (5月7日 11時) (レス) id: 85e2cd63aa (このIDを非表示/違反報告)
ハッカ油(プロフ) - 灯鶴ちゃん,めっっっちゃ好きです…!お話凄い面白いのでこれからも頑張ってください!! (5月6日 23時) (レス) id: ed28ee640c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:潮見 不可 | 作成日時:2023年1月22日 0時