修羅場と付いていけない展開 ページ17
１６．
静かなある部屋の中。やけに目立つ髪色の人影が一つ
黒い革の椅子に座り、磨き抜かれた円卓の会議テーブルに足をだらしなく投げ出している
おそらくここは会議室と呼ばれるような部屋なのだろう
しかも一般的な会社で言う、重役、幹部が使うような会議室。
ひと一人の会議室。扉が開かれ、これまた派手な髪色をした人影が二人入ってくる
「あれ〜？なんで、ここにいんだよ、ヤク中」
「うっせぇ、マイキーから呼びされたからに決まってんだろ、ぶち殺すぞ！」
「意外だな。いつもボスのそばを引っ付いて離れねぇ、ヤク中がここにいるなんて」
「だな〜」
部屋に入ってすぐ、軽口を叩き煽りあう春千夜と灰谷兄弟
「‥‥‥今日は大口の仕事が入ってたんだよ」
「なんか、今日、素直じゃね？ ヤク中」
「兄ちゃんもそう思う？ 俺も」
「クソ谷！テメェらスクラップにすんぞ！！！」
そこ並べやぁ！！とキレて銃を取り出す春千夜。やってみろや！とさらに煽る灰谷兄弟
もはや、お馴染みのセット
「お前ら、落ち着け」
「そうだぞ〜、落ち着け〜」
戦争の場と化しそうな会議室に新たに人影が二人入ってきた。鎮静剤の登場だ
「あン？‥‥んだよ、テメェらも呼び出されたのか？」
(灰谷兄弟は別として、こんなにも幹部が会議室に集まるなんて、おかしい‥‥
今日は会議の予定はなかったはず。鶴蝶たちもマイキーからの呼び出しか？)
「あぁ、マイキーからの直々の命令だ」
「オレらも〜」
「テメェにゃ、聞いてねぇ！」
またもや銃をぶっ放そうとする春千夜
「お前ら、うるせえ
ていうかよォ、かなりいきなりじゃねえか？オレはつい３０分前に、ここに来いって言われただけだぞ。特に理由なんて書かれてなかったしよ」
「まぁ、確かにな」
「‥‥‥」
「あぁん！？ なんだテメェら、マイキーの言うことに文句あんのか！？」
変な空気になった面々に春千夜は変わらずキレる
ガチャ
「三途、うるせェ。静かにしろ、二徹明けの頭に響く」
「九井じゃん」
「二日酔いの間違いだろ、普通」
「ほぼ全員そろったな‥‥」
「明司のオッサンどうした？来ねえのか？」
「お前もオッサンだろ」
「‥‥明司は海外に出張中だ‥」
ウケると笑う灰谷兄
「兄ちゃん、オレらにブーメランじゃね？」
「バカヤロー、オレらはぴちぴちの２０代だぞ。モッチーを見ろ。オッサンだろ」
「オレだって２０代だ！」
「‥‥オッサン議論はほかでやってくれ」
〈嫌な予感がする春千夜〉
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革ベルト
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あずきいろ
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作者名：潮見 不可 | 作成日時：2022年8月16日 17時
