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「お」


中は子供部屋であるらしかった。積み木のような玩具が床に散らばっており、白かったであろうカーペットが所々黒くなっている。西側の壁には一面絵が貼ってあり、これは子どもがクレヨンで描いたようなイラストであった。部屋の隅には四つの小さなベット。埃が被っており、所々に壊れた箇所もあった。



竜胆は部屋を一望するとド!と汗が吹き出した。子供部屋だ。確かに中から人の声がしたのに、なんで誰もいないんだろう。



あ、これはアカンやつ。竜胆はバンと勢いよく扉を閉めるとダッシュで階段を降りた。ギシギシと派手な音が鳴り響いたがどうでもよかった。早くここから出なければ。兄貴を探す、なんて目的はもう頭の中になかった。



角を曲がり玄関に向かう。その最中に男女の声がした部屋の前を2回通った。子供部屋、子供部屋、二つとも子供部屋と書かれたプレートが貼ってあった。油性のマッキーでかかれた簡素なものであり、所々薄れてキチンと読まないと見えなくなっていたが。



家から飛び出し竜胆はそのままバイクを動かした。途中で村の入口付近に蘭達を見つけたので竜胆はヨ!とバイクから降り一番近くにいた斑目に抱きついたのだ。


「どこ行ってたの竜胆」


ツンツンと蘭が突然現れて斑目を抱きしめる竜胆の頭をつついた。竜胆は何も言わず、斑目の背中に顔を隠し附くばかりである。斑目は何何どしたと竜胆を心配そうに見つめていたし、蘭はちょっとただ事ではない竜胆の様子に少し心配そうであった。そんな時、ボンヤリと空を眺めていたイザナが立ち上がり竜胆の元に来たのだ。



「子供部屋に入ったな」



イザナの抑揚のない声に、竜胆はピクリと反応した。蘭はイザナと竜胆を交互に見ると「え、竜胆あの家行ったの」と驚いたように言うのだ。なんだよ、お前が一番大きな家だと言ったのに。竜胆は兄貴を睨みたかったが気持ちが安定しなかったので斑目の背中に張り付くばかりである。



「竜胆、子供部屋に入ったな?」
「……中を覗いただけ」
「入っては?」
「ない」


竜胆はモソモソと答えた。イザナは竜胆の問いに「そ」と軽く返すとカクチョーに持たせていたバックからカップ酒を取りだした。これは施設の神棚にあったものを拝借してきたものである。それを開けながら、イザナはちまちまと話し始めた。

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月野 - この手の話、今まで無かったので新鮮でした!とても面白かったです!!更新楽しみにしています! (2022年10月6日 2時) (レス) @page19 id: dccd327fc0 (このIDを非表示/違反報告)
はる - 軍時さん» まじですか?ありがとうございます!! (2022年9月25日 22時) (レス) id: 1a9036ae39 (このIDを非表示/違反報告)
はる - 武道可愛いですねw。空になったペットボトルまだ持ってるなんて…。竜胆は武道になにをあげるんだろう。気になります!斑目の設定考えた主さんが天才すぎる!! (2022年9月25日 22時) (レス) @page19 id: 1a9036ae39 (このIDを非表示/違反報告)
軍時(プロフ) - 零さん» 特殊な訓練を受けている彼らだからこそ出来る対処法なので実際には…です笑なのでたけみっちがペットボトルをブンブン!と降っても除霊は出来ないことになりますね、かわいいですね🌼楽しいと思って貰えてとても嬉しいです🥰コメントありがとうございました! (2022年9月25日 18時) (レス) id: 9794be9817 (このIDを非表示/違反報告)
軍時(プロフ) - 零さん» 大丈夫ですよ〜!ゆっくりにはなりますが更新頑張りますね💪 (2022年9月25日 18時) (レス) id: 9794be9817 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:軍時 | 作成日時:2022年9月13日 11時

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