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10.後日談1 ページ10




それから
(バジ視点。野郎共のわちゃわちゃです)





「で、どうなったの」
「お」


ある日の昼下がり、万次郎はいつもの神社にてモクモクとたい焼きを食べていた。
その隣には場地の姿があり、ソワソワと落ち着きがなかった。



最初は万次郎、知ってるけど知らないような態度をとった。
飼い主にイタズラをしようとしている猫にそっくりだったから、コイツが自分から言ってくるまで待っててやるか。と善意での知らんぷりであった。
しかし一向に話さない。



次第にいつもの仲間が増えていく。
万次郎は持ってきたたい焼きを2個ほど食べ終えると痺れを切らして場地に話しかけたのであった。
「お!」と場地は嬉しそうに反応を示す。
他の奴らは何何と万次郎と場地を見つめていた。



「この前、マイキーに教えてもらった通り頭下げてきたわ」



ニカ!と嬉しそうに言った場地の言葉に、万次郎以外の奴らは「??」とそれぞれ考えた。
こいつの話は脈略がないので、いきなり結果からぶっこんでくる。



なに、また何かやらかしたの。
三ツ谷は持っていた缶ジュースをチマと飲みながら万次郎を見た。
万次郎は「へー」とどうでも良さそうに返事をする。
しかし、少しばかり場地の方に体を傾けたので興味のある話題であったらしかった。



「え、それで。どうなったの。あ、待ってどう言った感じで言ったのか知りたい。結果は待って」
「?おう」



どう言った感じ…と一瞬考えた場地であったが難しく考えちゃダメよなと簡単に、かつ分かりやすく説明に入る。



「お前の彼氏になりたいって言った」
「ぎゃ!」



万次郎、思わず大きな声を出して顔を覆った。
普段は喧嘩喧嘩たまに鬼ごっこ喧嘩の野郎共なのでこういった恋バナは少ない。
というかほぼほぼ皆無に近い。
しかし万次郎もお年頃なのだ、人並みに恋バナをしたい。
なので場地が突然甘酢っぺえ事をキリとした顔で言ったので思わず照れてしまったのだ。
俺たちに出来ないことをやる。
それが場地圭介という男だ。



「え、なになに。何の話」
「は?バジお前好きな奴いたん」
「あー、あの幼なじみの子か。え、俺パーからくっついたって聞いてたけど」
「いや、何かまだくっついてなかったらしいわ」



やっと状況の理解に追いついた周りの奴らもキャキャと乗り始める。
彼らも万次郎と同じように恋バナが好きだったので。

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作者名:軍時 | 作成日時:2022年9月5日 20時

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