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「で、どーなの」


場所は神社。
日陰でアイスを食べる万次郎が場地を見て言った。
どーなのとは、何だ。と場地は頭を傾げる。



「好きって、伝えたんだろ?」
「げ、何で知ってんだよ」
「場地が遂にくっついたって言ってた。パーが」
「パーか、あのやろ」



ニヤニヤと笑う万次郎は「で、どーなの?」ともう一度聞いてきた。
その問いの意図が分からない場地は「だから何が」と返した。
質問に質問を返すな。
普段の万次郎ならそう言うかもしれないけど、「いや、付き合ってんのって聞いてんの」と分かりやすく答えてくれた。



場地は考える。
考えて、キリとしたカッコイイ顔で「付き合うってなんだよ」と言った。
何言ってんだコイツと万次郎は場地を眺めた。



「付き合うったら付き合うだろ。彼氏と彼女。自分たちは互いに愛しています。だから取るなよって周りに教える感じの」
「……んだソレ」
「えー知らねぇの場地。じゃあまだくっついてはねぇのか」
「好きって伝えた」
「伝えただけ?」
「ダメなのかよ」
「お互いが好き同士なら付き合っとかないとヤバいじゃん。他の奴らに取られたらどーすんの。付き合ってねぇなら文句も言えねぇぞ」
「……マイキー」
「なに?」
「彼氏になるにはどーすればいいんだ」
「付き合って下さいって頭下げればいいんじゃねぇの」



場地は立ち上がった。
ドラケンが褒めていた通り、行動に移すのが早い男だった。
「あんがとよマイキー!」と叫びながら走っていく場地を見て、万次郎は「うん」と呟いた。
幼なじみの恋の行方を暖かく見守るのも総長の務めだから。




「頑張れよ場地」



カラカラと空蝉が地面を転がる。
もう時期夏が終わる。そんな日の出来事であった。






やっとかよ【完】

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作者名:軍時 | 作成日時:2022年9月5日 20時

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