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「あれ、Aじゃん」
「あ、竜胆くんだ」



場所はコンビニ。女はお気に入りのチョコを手に持ちながら突然話しかけてきた男に顔を向ける。店内の明かりでキラと眼鏡が光っており、次に特徴的な髪型が見えたので(これはリンドウくん)と女はニコと笑った。



「なに、またそのチョコ買ってんの。好きだねー」
「美味しいから。いる?」
「いらねぇ」



二人はコンビニから出て近くのベンチに座りチマチマと話し始めた。女はチョコを食べており、竜胆は片手にサイダーを持っている。二人の様子は仲睦まじくたまたまそのコンビニに来ていた三ツ谷はエと固まってしまったのである。



何で場地の彼女と六本木のカリスマが一緒にいんの。え、カツアゲ?の割には仲良さげだけど。三ツ谷はムムと考えた。今すぐ場地に伝えるべきか様子を見るか。下手に教えて場地がキレちゃまずい。よし、様子を見よう。



三ツ谷はズカズカと歩いて二人の前に立った。「よう」と突然現れた三ツ谷に女は「あ、三ツ谷さん」と子供のように笑ったが竜胆の方はえ、なに何か?とガン睨みである。




「そこのコンビニに来たらたまたま二人見つけたから」
「それで何の御用で?東京卍會の奴が」
「言っとくけどここの辺りは俺らの縄張りだかんな?」
「で?」
「……次からは気を付けろよ、六本木のカリスマさんよ」



二人はバチバチである。しかし女は一人でチョコを頑張って食べており聞いちゃいなかった。彼氏に連れられて野郎共の集会に何度か行ったのでスルースキルが上がったので。
三ツ谷は竜胆から視線を外し「で」と女を見る。女は「?」と三ツ谷を見つめ返した。



「知り合いなの?」
「?はい」
「え、コイツと知り合いなのAちゃん」
「はい。私の従兄弟なんです、竜胆くん」



え、そうなんだ。三ツ谷は思わず竜胆をジと見つめる。竜胆は鬱陶しそうな顔をしながらも「マジだよ」と呟いた。という事は灰谷兄も従兄弟?と考えて「え、何か意外」と目を丸くして少し大きめの声で言った。



「意外ってなんだよ」
「や、だって何か雰囲気とか違ぇし。え、ホントに従兄弟?騙されてない??」
「お前マジで何なの」
「えぇ、マジか。それ場地も知ってんの?」



三ツ谷は竜胆ガン無視で女を見つめる。女はチマとチョコを食べながら「しらない」と小さく言う。あら、幼なじみなのに知らないのと頭の隅で考えていると隣にいた竜胆が「ばじ?」と眉間に皺を寄せ女の横顔を見たのだ。

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作者名:軍時 | 作成日時:2022年9月5日 20時

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