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(⚠︎平和軸だと思ってお読み下さい)




ある日の帰り道、場地は女と一緒に歩いていた。
たわいも無い会話をする時間は心地よいもので、場地はニコニコかわゆく笑う女を見て心がホッコリと温かくなった。


「あ」


ソと互いの指先が触れ合う。
二人はビャ!と固まるとポポポと顔を次第に赤くさせるのだ。
思春期の初々しい空気を操る二人は少しばかりその空気を楽しみ、


「手、繋いでいいか」
「…うん」


緊張しながらゆっくりと手を繋いだのだ。
そんな甘々初々しい二人の様子を後ろから眺めていたのは壱番隊副隊長の松野千冬である。



松野は「え?」と持っていたモナカアイスを地面に落とした。憧れの人が顔を真っ赤にさせて女と手を繋いでいる。
自然に手はポケットにある携帯へと伸びていた。


『もしもし千冬?どうした』
「やばい」
『え?』



電話の相手は最近仲良くなった花垣武道である。
花垣は突然の千冬からの電話に過敏に反応した。もしかしてマイキーくん達に何かあったのか!?と戦いに挑む前のやる気に溢れるちいかわの顔をした。



「場地さんが、」
『!』
「お」
『お?』
「女と手ぇ繋いで歩いてる!!!」



『うん?』と素っ頓狂な花垣の声が電話越しに響いた。
しかし花垣もかわいい馬鹿なので『え、場地さん彼女いんの!??』と普通に話に乗った。


「俺も初知りなんだけど、え、知らなかった。俺場地さんの事何でも知ってると思ってたのに」
『でも知らなかったんでしょ?』
「ぐぬぬ」


これは一大事だ。
千冬は甘々しい雰囲気を撒き散らす二人の背中を見つめグと唇を噛み締めた。


「追うぞ相棒」
『へ?』


千冬は右手に力を入れた。
憧れの場地の彼女。これは千冬、挨拶にいかなければいけない。


『え、殴る感じの?』
「違ぇよ。いつも場地さんがお世話になってますの方」
『千冬は場地さんのお母さんなの?』



千冬は燃えた。
場地さんの彼女に挨拶をする。
そしてあわよくば二人のイチャイチャを近くで見れる許可を得たい。
だって、凄い推しの予感がする。


俺の少女漫画脳がそう言っている。
初々しい二人の空気に当てられた千冬はキュンキュンと高鳴る胸を抑えながら「やるぞ、たけみっち!」と相棒の名前を呼んだのであった。


花垣はよく分かんなかったのでとりあえず『おー!』と乗ってあげた。中学生とはノリで生きているから。

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作者名:軍時 | 作成日時:2022年9月5日 20時

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