蝶の姿【爆豪勝己】序章 (ページ6)

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「私の個性は見ての通り"蝶"。
　毒を持つ蝶に命令を出して操ることができる。
　どんな毒を持つものにするかは生みだす時に考えるの。
　今回だと腫れを退かせるものね。」

「命令を出して操るっつうことは全部が全部従うわけじゃねぇのか。」

「なかなか鋭いねぇ。その通り、この子たちには自我がある。
　例えばそこにいる子はまだこちらに帰ってこない。
　余程爆豪君のことを気に入ったみたいね。」

　女が指を指した所は俺の頭の上。

頭を振ると蝶が手元に降ってきた。全然気が付かなかった。

「先程からずっと戻ってこーいって伝えているんだけど
　全然戻って来ないんだよね。あ、そうだ！その子をあげるよ！」

「はぁ？いらねぇよ」

　ガーンッ！というか効果音が付きそうなくらい蝶は驚き、

ヘナヘナになって落ち込んだ。…逆に何で貰ってもらえると思ったんだよ。

「その後悲しんでるじゃない！爆豪君のケチ！」

「んだとゴラ！！」

「...おい蝶蘭」

　男の声。声のした方を見るとツギハギの男が立っていた。

「…リーダーが呼んでる」

「わかった、今向かうね」

　女は俺を拘束し直して立ち上がる。

「じゃあ、また話そうね。爆豪君！」

女は笑顔でそう言うと、この場を去っていった。