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「いってぇ…！おれなんもしてない…」
涙目になるカズくんと
あわわ、かずなりくん痛そう！ってとまどうわたし
.
「かずなりがお友達泣かせたんじゃないの！」
「…おれなんもしてないもん。Aが、むかえこないんだって」
むすっとしてるカズくん
「あら！そうだったの、ごめんね。
…Aちゃん？お母さんお仕事かな？」
カズくんの頭をなでながらお母さんが私の方をみた
優しそうな、おかーさん。
「わかんない…」って俯く私をみて、
カズくんのお母さんがあっ、てなにかを察したみたいに呟いた
そして
「先生。よかったら、私がAちゃん送って行きますよ？」って先生に言った
「えっ、そんな！」っていう先生に
「大丈夫です！私、Aちゃんのお母さんのお友達なんです。」っていったカズくんのお母さん
ばっ！て顔を上げる
「いっしょにかえりたい！」
お母さんのお友達。お母さん、かずなりくんのお母さんと会ったらよろこんでくれるかな。
私の目がよっぽど嬉しそうにしてたんだろう
先生が、うーん、と呟いて、「二宮さん、すみません。お願いしてもいいですか？」と言った
「大丈夫ですよ」
「Aちゃんのお家、実はご近所さんなのよ」
うふふっとカズくんのお母さんが笑った
.
失礼します、すみませんよろしくお願いします、って先生とカズくんのお母さんのやり取りの後、カズくんちの車にのった
「おれ、しらなかったんだけど！」
「だって、言ってないもの」
「Aしってた？おうちが近いの」
「んーん、しらなかった」
「ふふ、そうよねぇ、あ、Aちゃん。そこの家が和也の家だよ」
「わ、ほんとにごきんじょさん！」
「そうなの？」
「うん、Aのおうちそこ」
私の指差した先はカズくんのお家の２つ先の向かいの家
「はじめてしった」
「Aも！」
「…今度いっしょにあそぼ」
「いーの？」
「うん」
「あそぶ！！」
やった！約束だよ！ってニコニコするカズくんとゆびきりげんまんした
私の家の前に着く
「和也よかったわね〜、和也がいつも話してる女の子ってAちゃんのことかしら」
「かずなりくん、Aのことはなしてるの？」
「……ちがう！！」
「ふーん」
「うふ、Aちゃんお家に着いたよ。お母さんにご挨拶してくるわね」
ちょっと待っててね、ていってカズくんのお母さんが車を降りていった
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作者名：さわ | 作成日時：2020年1月28日 18時
