無理だって分かっているのに諦めきれない私のバカ！《オリジナル》

１８，無力だ ページ21

その日の夜。テントの中。


「あたし、テントとか初めて！」

「そう？私はお泊まりが初めてなんだけど」


思ったより、水戸部さんも宮成さんも気さくに話しかけてくれた。



「あのさ、Aちゃんっていっつも瑞希さんと一緒だよね。どれくらい仲いい？」

「どれくらいって言われたってね・・・・そこそこ？」

「そんなわけないやろ。あんなに仲良さそうなのに」

「まぁ、そうかもね。私、瑞希が居なくなったら他に誰とも仲良くないし」



そう考えると怖くなった。私は人見知りで、他人に話しかけることが苦手だ。
だからいつも話しかけてくれる瑞希は唯一の親友。

瑞希が居なかったら何もできない。



結局私一人じゃ無力だ。




「じゃあ水戸部さんは？誰と居るの？」

「私？私はやっすぅと・・・・」


そんな雑談をしていると、テントが開いた。

どうやら瑞希が訪ねてきたようだ。


「Aいる？」

「うん」

「ちょっといいかな？」




私は瑞希に連れられて広場に来た。



「実はさ、大事な話があるんだ」

「大事な・・・・話？」



どんなことだろうかと、胸が騒いだ。

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