黒髪の君 Ⅳ (ページ41)

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Kyohei side

今日は午前授業でレッスンが5時からだから、放課後デートに誘おうって思ってた

恭「どこいったんやろ」

下駄箱で待ってたんやけど全然来んくて、チョコをくれる女の子が来ただけやった

全部断って、ひたすらAちゃんを探した

Aちゃんは全然携帯見やん人やから連絡しても無駄なのは知ってる

図書室、屋上、Aちゃんがよくおるところを探した。

全然見つけられんくてダメもとで2年生の教室に行くと、ノートと教科書を広げて勉強してるAちゃんをやっと見つけた

邪魔したらあかんなって思ったけど、やっぱり一緒におりたいから声を掛けて隣に座る

恭「あー、俺好きな人からしか貰わんって決めてるんで」

『ふーん、そっか』

Aちゃんのチョコが欲しくてそう言ったけど全然その意味を理解してくれない

チョコも甘いものを好きやけど、

たくさんの女の子に貰う綺麗にラッピングされたチョコより

大好きな人に貰うたったひとつのチョコの方が何倍も嬉しい

みんなと一緒に貰うんは嫌やから今欲しいって言ったけど、

当たり前に無理で、諦めたら眠気が襲ってきた

大好きな横顔を眺めながら眠りについた

.

恭「、、ん、」

ゆっくり目を開けると、

恭「、っ、、」

目を閉じたAちゃんの顔がすぐ目の前にあった

握られてるシャーペンを取って、目にかかった前髪を退けてあげると穏やかな表情になった

恭「、、あかんで」

こんな無防備なとこ他の男の前で見せたら

俺より忙しいはずなのにAちゃんは常に成績上位をキープしてるらしい

レッスンの合間も、今だって勉強たくさんしてて、

進学すんかな、そしたら東京の大学かなとか考えてしまう

東京行ってしまうんかな

今いくらでも触れらる距離におるのに、遠なってしまうのはいやや

想い強すぎやん、俺。

恭「、カバン開けたっけ？」

自分のカバンの口が開いてることを不思議に思って手に持つと、中に綺麗にラッピングされた小さな包みがあった

恭「、(笑)」

俺が寝てる間に入れてくれたんやな

そんならさっき渡してくれたらよかったのにって思うけど

Aちゃんの照れ隠しや思っとく

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君から貰うのだけを楽しみにしてたんやで、

特別なんやで。

眠る君の白い頬に自分の唇を軽く当てた