黒髪の君 Ⅳ (ページ19)

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好きな子だからページ19

Juri side

SnowManのマネージャーから連絡が入って、居てもたってもいられなくて教えられた病院に急ぐ

Aをつき倒した女はその場で警備員に取り押さえられ、警察に引き渡したそう

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

田「A！」

個室のドアを勢いよく開けて名前を呼ぶと、ねぇもう夜だからと怒られる

Aはいつもと一緒だった。

怖いくらいに

.

田「マンズ兄さんには？」

『、言ってないよ』

田「なんで？」

『明日には退院できるし、心配かけたくない、』

田「なぁ、、」

『、大丈夫だから。』

俺が言う前にその先の事を察して、被せた

田「A」

『言わないで、』

田「分かってるなら、なんでだよ」

『あともう少しだから、あとちょっとなの』

田「A」

『ごめん、、1人にしてほしい』

田「、、そんな顔して言うな」

俺がそう言うと今にも泣き出しそうな顔を上げるA

田「俺に全部話して、、マンズ兄さんには言えないかもしれないけど、俺には言えるかもよ？」

田「、、Aが抱えてる物を俺と半分こしよ」

そう言ってAの頬に初めて手を添えた

こんな顔小さかったけとか、ほっぺ冷たいとか、

そんなことしか思い浮かばなかった

『、樹くん、、』

君の潤んだ瞳は俺の目を掴んで離さない

あぁ、ずるいな、、。

マンズ兄さんがいなくて、1番近くで守れる今、

こうやって近づく俺の方がずるいか。

汚い手を使ってでも好きな子の役に立ちたい

好きな子を守ってあげたい。

そう思うのは普通でしょ？

『、早く、9人に会いたい』

伏し目がちにそう言ったAは綺麗だった

田「、、っ、」

期待してなかったのに勝手に悲しくなった

今1番近くにいるのは俺で、

手が触れ合うくらいの距離にいるのも俺なのに

Aの頭の中にはあの9人しかいない

もしAが俺と同じグループだったらって、

今まで何回考えたか分からない

.