67-尾白、辞退するってさ- ページ24
昼休みが終わって、全員会場に集合、これからの種目やらなんやらの説明がさせる中、俺はその内容が中々頭に入ってこなかった。
『俺をオールマイト以上のヒーローに育て上げることで自信の欲求を満たそうってこった』
『「お前の左側が醜い」と、母は俺に煮え湯を浴びせた』
『クソ親父の個性を、使わず"一番になる"ことで、奴を完全否定する』
同じだ。いや、全部が全部じゃないけど…。昔の俺と同じようなこと考えてる。俺と同じ個性婚で生まれた人間は久々に会った。
個性婚で生まれた子どもは、大抵親の身勝手に振り回される。轟の場合は父親、エンデヴァーの方がクソだった。
『使えない』
『お前はもういらない』
『失敗作』
不意に思い出してしまった言葉に、吐き気を覚えた。頭の中も心の中もぐちゃぐちゃになって倒れそうになった。
個性婚なんて、良いことなんて一つもないんだ。一見上手くいってるように見えたとしても、親は子どもを"実験体"としか見てないんだ。親というか個性婚を進めてた奴というか…。
「吐きそ」
頭がぐわんぐわんする。でもここで抜けたら多分自動的に最終種目は俺の負けになるだろう。そう、なるわけにはいかない。
「………俺、辞退します」
その言葉でパッと気持ち悪さが消えた。あまりに衝撃で。色々モヤモヤしてて考えてて、誰が何言ったか聞いてなかった。でも、周りの反応と視線の先を辿れば、どうやら尾白が最終種目を辞退すると言ったらしい。
「辞退！？」
嘘だろ！？チャンスの場なのにマジかよ！
と、最初は思ってたけど尾白の話を聞いて、辞退したいって気持ちがなんとなく分かった。自分は前の競技で全力を出せていない。だから出ることはできない、と。
そんな尾白の話を聞いて、自分はじゃあどうなんだと思った。俺すっごい出る気満々だったんだけど…。
でもここで俺まで辞退するって言ったら、心操はきっと傷付くよな。裏切られたって思っちゃうよな…。
いや、こんなこと言って、自分は正しいと思わせようとしてるのは分かってるんだよ。正直に言えば、恥ずかしいが俺は出たい。せっかくのチャンスの場。こんな形で上がったけど、俺は強くなったってことを血染さんにもまだまだ見せたい。
「そういう青臭い話さ……好み！！尾白の棄権を認めます！」
「…悪い、尾白」
「？」
「俺は、やるよ」
「…！そうか、頑張れよ」
一言でまとめれば、わがまま。それでも、俺はこの舞台に立ちたい。
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紅じゃけ(プロフ) - 澪。さん» ありがとうございます！課題と更新頑張ります…(汗) (2017年8月26日 6時) (
レス) id: 0e38c6c478 (このIDを非表示/違反報告)
澪。(プロフ) - 続編おめでとうございます！！夏休みの宿題に追われるの、よく分かります………。更新待ってます！！ (2017年8月26日 1時) (レス) id: 256437f2ed (このIDを非表示/違反報告)
紅じゃけ(プロフ) - るいさん» ありがとうございます！頑張ります！！ (2017年8月19日 22時) (レス) id: 0e38c6c478 (このIDを非表示/違反報告)
るい - 続編おめでとうございます!!これからも応援します！ (2017年8月19日 9時) (レス) id: d9fa4136df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅じゃけ | 作成日時：2017年8月17日 20時
