1-醜い社会- ページ3
四歳で自分の可能性を知り、五歳でヒーローになることを志した。だがその三年後、社会がどれだけ汚点で塗れているかを知った。
この世界は平等じゃない。周りから見れば俺は勝ち組。でも現実は違う。
『せっかくの個性だってのに、この子全然駄目ね』
『期待外れだったな。どーするよ？』
『どーすると言われても…』
『まあとりあえず、出来損ないに与えるものは何もない』
『ここにいられても邪魔なだけよ』
『俺弟に引き取ってくれないか相談してみるよ』
七歳の時、俺は親に捨てられた。
個性婚だった両親は、どちらも素晴らしい個性を持った子供を作ることを目標にしていた。そいつらの一番最初に生まれたのが俺だったが、個性を上手く扱えなかった。
出来損ないだった俺を引き取ってくれた父親の弟には、希望を抱いていた。”自分を引き取ってくれる優しい人”
だが、結局引き取られた後も扱いは然程変わらず。俺はその後も親族の家を点々とし、本人の家族を持つことができなかった。
八歳。自分の誕生日だった日に、ケーキを買いにいけと言われた。個性で何かをお金にしてそれで買えと言われた。嫌だったけど、包丁を向けられて、泣く泣くそれに応じた。だが子どもの時は上手く扱えず、金が偽物だとすぐにバレた。家の奴が店に来て謝罪をし、俺の悪戯で片付けられた。
それから一ヶ月、突然薄暗い路地裏に連れてこられたかと思うと、いきなり腕を縛り上げられ、口をガムテープで塞がれた。
路地裏にあった不気味な店に入れられ、自分を売るという言葉と、そこらに散らかってた子どものバックや血のついたおもちゃを見て個性が暴走。
目が覚めた時は孤児院のベットにいた。
孤児院に入ってしばらくしてから、俺に関わった親や親族全員が逮捕されたと施設の人から聞いた。
逮捕された親戚のほとんどがヒーローだった。その分世間からは罵倒されるが、数年経てば治ってしまう。下された刑罰もそう重くはない。職を失ってはしまうが、彼らはまだ生きている。それが許せなかった。
まだ八歳の時に知った世界の残酷さ。この時から俺は、本物のヒーローを目指し始めた。
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紅じゃけ(プロフ) - 蝦夷さん» ありがとうございます！これからも頑張ります！！ (2017年8月24日 21時) (
レス) id: 0e38c6c478 (このIDを非表示/違反報告)
蝦夷 - ステインのやつ読みたかったんで嬉しい。私も同じくアニメでドはまりしました。いやぁ、うれしい(しみじみ)。応援してます。 (2017年8月24日 1時) (レス) id: cd5b0b40a3 (このIDを非表示/違反報告)
紅じゃけ(プロフ) - サイトさん» いえ！あってます！自分がB型なもので、なんか印象残ってBにしてしまいました！教えてくださりありがとうございます！！ (2017年8月16日 22時) (レス) id: c9f05b71d6 (このIDを非表示/違反報告)
サイト(プロフ) - 37-敗北- で違和感を感じる表現がありました。夢主君が「B型だから拘束がすぐ解ける」と発言していますが凝血の個性はB型が一番拘束時間が長いはずです。ヒロアカ6巻参照。間違ってたらすいません。 (2017年8月16日 12時) (レス) id: 1e7db7b5a6 (このIDを非表示/違反報告)
紅じゃけ - 稲野さん» ハッ！倍率が300なんですね！ヒロアカ好きなのにとんでもないミスを…っ。教えてくださりありがとうございます！！ (2017年8月14日 6時) (レス) id: c9f05b71d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅じゃけ | 作成日時：2017年8月12日 17時
