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夜が明ける
朝になっても救助の気配もないこの状況に、自然とみんなで話し合いが始まる。
崖と砂漠に挟まれ行き場もなく、まさに八方塞がりな現実を目の当たりにして混乱と苛立ちに包まれていた。
そんな中私がどこか冷静でいられるのは、地獄のような時間を経験して、それより辛いことなどないと思えているからで、自虐的な思考に初めて救われている。
高校生カップルとサイコパス風味の田中さんは自由がいいと出て行った。
確かにルールも縛られる学校も会社も何もかもないここは自由でしかない。
でも精一杯生きるのか、死ぬのか、その2択しか存在しないこの世界で、本当に自分の望む自由があるのかな。
誰と生きるのか、どう生きるのかは全て自己責任で、それ以上でも以下でもないと思う。
でも彼は全ての責任を抱えようとしていた。
「死にたきゃ死ねばいいし、他人の命をあんたが背負う必要ないだろ」
「それでも背負うんだよ!約束したから、先輩と」
きっと白浜さんにもなにか重い十字架があって、押しつぶされそうになりながら必死に立っているんだ。
白浜さんの強さと弱さが同時に見えたような気がした。
「助けられないよ、誰も」
その言葉はまるで萱島さん自身に言っているようで、
彼の痛みを思うと自然と自分の傷に触れて、同調するかのような悲しみに包まれる。
「私は助けられました」
畑野先生は白浜さんと学校で出会い励まされたと語り始める。
やれるだけやってみる
白浜さんや畑野先生にぴったりのいい言葉だ
私はやれるだけやった。
養護教諭として必死に彼と向き合っていた。
それでも足りなかった?
考えを打ち消したくて、みんなに着いていくように走り出した。
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3人の隊長と座長の剣士@自由浮上自由返信(プロフ) - 藍さん» いえいえ、こちらこそ迅速な対応をありがとうございます!占ツクライフ、楽しんでくださいね! (7月15日 20時) (レス) id: da35f6fb87 (このIDを非表示/違反報告)
3人の隊長と座長の剣士@自由浮上自由返信(プロフ) - 失礼します…!実在する方を小説に出す場合はオ.リ.フ.ラを外した方が良いですよ!また、nmmn(実在する人物を題材にした二次創作)ではご本人様の目につかないよう、伏せ字や検索避け(長くなってしまうので、お手数ですが詳細はご自身でお調べください)などをしましょう! (7月15日 16時) (レス) id: 6196f83925 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍 | 作成日時:2023年7月12日 11時