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「俺だって思うよ。弟に会いたいって、助けてやりたいって、思うけどさ。もうやめてくれそういうの。今まで色んな事あったけど、何が一番しんどいかって、期待して裏切られた時だよ。だからそういう楽観的な希望聞くと、イライラすんだわ」
きっと萱島さんも、疑って、否定して、必死に自分を守っている。
彼の言葉をきいて、私は自分の弱さと、直面せざるを得なかった。
色んな思いをした過去があり、自然と飛び込む事に臆病になっている。
裏切られるのは、怖いから。
萱島さんは立ち上がり、その場を離れていってしまった。
「萱島さんも、白浜さんが間違ってるとは言ってないと思います。でも、もう傷つきたくないと思うのも、自然な防御反応だと思うから」
「Aさんも?」
「私も弱いんで、先の見えない希望を信じる勇気は、やっぱり持てないです。すいません」
「そっか、、」
みんなと、足並みを揃えた方がいいんだと、わかってはいるけど、それは難しいことで。
やっぱりどこまでいっても、人は他人で、自分とは違うんだと感じる。
私の事は、私にしか守れない。
複雑な心持ちのまま、夜が明け、朝日が昇った。
「玲奈さん、どこ行くんですか?」
畑野先生の声がして、視線をそちらに向けると、まるで何も聞こえていないかのように、ズンズン歩みを進め、車両から離れて行く玲奈さんの姿があった。
畑野先生は心配そうに後を追っていく。
嫌な予感がして、二人の後についていった。
「私はここでいい、帰らなくていいの。ここが私の居場所」
「何でそんな、」
立ち止まって話している姿が見える。
声をかけられる雰囲気ではなくて、奥で立ち聞きしているような形になった。
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3人の隊長と座長の剣士@自由浮上自由返信(プロフ) - 藍さん» いえいえ、こちらこそ迅速な対応をありがとうございます!占ツクライフ、楽しんでくださいね! (7月15日 20時) (レス) id: da35f6fb87 (このIDを非表示/違反報告)
3人の隊長と座長の剣士@自由浮上自由返信(プロフ) - 失礼します…!実在する方を小説に出す場合はオ.リ.フ.ラを外した方が良いですよ!また、nmmn(実在する人物を題材にした二次創作)ではご本人様の目につかないよう、伏せ字や検索避け(長くなってしまうので、お手数ですが詳細はご自身でお調べください)などをしましょう! (7月15日 16時) (レス) id: 6196f83925 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍 | 作成日時:2023年7月12日 11時