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「あんたが、服ぶっちぎって、女の顔殴って、襲おうとした猿か?」
「なんだよ、殴られたいの?」
「ルールが無くなった途端これだもんな、野生に戻れて満足か、あ?」
間近で睨み合う二人。
今にもどちらからともなく、手が出そうな緊迫感が生まれる。
「萱島さん、ここはやめましょう」
植村さんと白浜さんが間に入り、喧嘩になることは避けられた。
三人組はそのまま車両を出て行った。
ああ、やっと息ができるような気がする。
「あなたに、更に不快な思いをさせてしまって、何て言ったらいいのか。代わりに謝ることしかできないですが。こちらには粗暴の悪い奴らも何人かいて、これからは好きにさせない様に、気を配っていくつもりです」
私は何も言えなかった。
私に直接触れた彼を、許すことは出来なかったから。
もう、飲み込むだけの生き方はしたくない。
「山本さんは加古川さんを通じて情報を集めていたと聞きましたが、何かわかったことでもあるんですか?」
「ここが、未来だということは確信しています」
やっぱり未来。
私達の間でも.未来なのではと言う共通認識だった為、それはストンと腑に落ちる。
「我々なりに話し合いました。是非皆さんの意見も聞きたい。どうして僕達はここに来たのか、そして、どうやったら帰れるのか」
彼の発言に白浜さんと畑野先生はとても驚いた様子で聞き直した。
まるで、希望の言葉だった。
「来たからには、帰る方法も必ずある」
堂々とそう言い切る彼が、私は素直に受け入れられない。
誰も説明の出来ない超常現象の様に、この世界にやって来たのに、どうやって帰るっていうの?
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3人の隊長と座長の剣士@自由浮上自由返信(プロフ) - 藍さん» いえいえ、こちらこそ迅速な対応をありがとうございます!占ツクライフ、楽しんでくださいね! (7月15日 20時) (レス) id: da35f6fb87 (このIDを非表示/違反報告)
3人の隊長と座長の剣士@自由浮上自由返信(プロフ) - 失礼します…!実在する方を小説に出す場合はオ.リ.フ.ラを外した方が良いですよ!また、nmmn(実在する人物を題材にした二次創作)ではご本人様の目につかないよう、伏せ字や検索避け(長くなってしまうので、お手数ですが詳細はご自身でお調べください)などをしましょう! (7月15日 16時) (レス) id: 6196f83925 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍 | 作成日時:2023年7月12日 11時