検索窓
今日:22 hit、昨日:40 hit、合計:33,119 hit

43 ページ43

.


「それに関してはお詫びします」

「申し訳ございませんでした!」


山本さんは頭をさげ、加古川さんは土下座した。


「あの日、彼女が来なくて、パニックになって、全部伝わって襲いにくるんだって思ったら、つい、、」

「全部お前のせいだろうが!加藤も、こいつも!わかってんのか、おい!」


加古川さんの胸ぐらを掴み、今にも殴ってしまいそうな勢いの萱島さん。

白浜さんと一緒になって引き離した。


「私の事だけなら、加古川さんは悪くないです。やめましょう萱島さん」


私の言葉に不満そうな萱島さん。
でも今ここで、揉めたくはないから、


「事の次第が発覚して、すぐにでも謝罪に伺うべきでした。申し訳ありません」


山本さんと加古川さんが揃って私に向けて頭を下げた。


「もういいです。大丈夫です。それにあなた達に謝られても意味はないと思うので」


山本さんは再度頭を下げると、土下座していた加古川さんを起こし、彼を支えつつ話しだした。


「こんな事になってしまって、みんな動揺しています。今後はどうか歩み寄って、協力していけたらと思っています」

「戻って、その言葉は伝えます」


ホッとした顔を見せる山本さん。
自分達がしてしまった罪を棚にあげたりしないところは、多少好感はもてた。


「お名前伺ってもいいですか」

「白浜です。萱島さん、Aさん、畑野さんです」


みんなの後ろで目線は伏せたまま、軽く会釈をした。


「はーたの、フー」


この声、、嫌な笑い声も、
咄嗟に萱島さんの後ろに姿を隠す。
もう会いたくない。思い出したくもない。

畑野先生も絡まれ、動揺している様だった。


「婚約者です。朝、彼女と電車に乗っていたらこんなことに」


まるで漫画の主人公の様に、畑野先生の手を取り辺りに言い放つ彼は、すごく堂々としていた。


「俺のはそっちだからお構いなくー次は蹴んなよ」


ああもう、やめて、
思い起こさせないで、
もう私は強くなるって決めたんだから。
震えそうになる手に力をこめて、堪えた。


「出てなさい」


山本さんの注意が飛ぶのと同時に、萱島さんがつかつかと歩み寄って行った。


.

44→←42



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (61 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
138人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

3人の隊長と座長の剣士@自由浮上自由返信(プロフ) - 藍さん» いえいえ、こちらこそ迅速な対応をありがとうございます!占ツクライフ、楽しんでくださいね! (7月15日 20時) (レス) id: da35f6fb87 (このIDを非表示/違反報告)
3人の隊長と座長の剣士@自由浮上自由返信(プロフ) - 失礼します…!実在する方を小説に出す場合はオ.リ.フ.ラを外した方が良いですよ!また、nmmn(実在する人物を題材にした二次創作)ではご本人様の目につかないよう、伏せ字や検索避け(長くなってしまうので、お手数ですが詳細はご自身でお調べください)などをしましょう! (7月15日 16時) (レス) id: 6196f83925 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2023年7月12日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。