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畑野先生と消防職員の彼、そして苦手だと思ったサングラスの彼はトンネルの中を見にいくと出て行った。

通常の事故とは考えにくいような、森に包まれた電車という、なんとも不思議な状況から少しは進展するといいんだけど、



けれどそんな希望は一瞬にして崩れさった。

どこまで苦しめられ、どこまで地に落ちれば
歩き出すことを許されるのだろうか


「砂漠?」


畑野先生達に見せてもらったそれは紛れもなく砂漠の写真。


日本に砂漠ってあったっけ、

むしろここは日本なのか
それすらもわからないこの状況に、思考は完全に停止した。


まるで漫画かドラマの世界のようで、現実味が無くふわふわとした感情に包まれる。

ここは何処なの、、、



乗客名簿を作ろうということになり、私の目の前に消防職員の方がやってきた。

冷静な人がいると、ちゃんとしなきゃと理性が働くから助かる。
1人なら完全にパニックだもん。


「養護教諭の、」

「AAです。畑野先生とは同じ職場で」

「そうでしたか、治療のご協力ありがとうございます」

「あの、貴方のお名前は」

「すいません、白浜です」


白浜さんか、確か畑野先生あの消防教室の後、やけに気にしてたのって白浜さんだよね

恋愛か、
もう私には縁のない感情に胸が苦しくなる。
いつものようにギュと目を閉じて考えないふりをした。
人を羨んでる場合じゃない、余計な感情は捨てたはずだ。



人の多さに息が詰まりそうになり外に出た。

1人の方がずっと気楽で、この大自然の環境も向いているのかとさえ思えてくる。


奥の方で白浜さんとサングラス男が揉めているのが目についた。

畑野先生も一緒だ。
知り合いがいると途端に安心感があるな。


「畑野先生」

「あ、A先生」


「何かあったら助けられない」

「誰が頼んだよ」


どうやらサングラスの方が出て行こうとしているみたいだ。
白浜さんが頭を下げて必死に止めている。

イラつている様子だけどしぶしぶ諦めたようで、その場は引き下がっていた。


苦手だと思ったその人はなんだか私に似ているように見えた。

人を嫌い何に対しても怒っている彼が、自分と重なり目が離せなかった


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3人の隊長と座長の剣士@自由浮上自由返信(プロフ) - 藍さん» いえいえ、こちらこそ迅速な対応をありがとうございます!占ツクライフ、楽しんでくださいね! (7月15日 20時) (レス) id: da35f6fb87 (このIDを非表示/違反報告)
3人の隊長と座長の剣士@自由浮上自由返信(プロフ) - 失礼します…!実在する方を小説に出す場合はオ.リ.フ.ラを外した方が良いですよ!また、nmmn(実在する人物を題材にした二次創作)ではご本人様の目につかないよう、伏せ字や検索避け(長くなってしまうので、お手数ですが詳細はご自身でお調べください)などをしましょう! (7月15日 16時) (レス) id: 6196f83925 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2023年7月12日 11時

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