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あれ、今加藤さんがどうとかって、、
「加藤さん何があったんですか?」
「突然刺されて、多分そのもう一つの車両の人間だと思うけど」
畑野先生に事情を聞くと、途端に血の気が引いていくのがわかった。
自然と立ち上がり横になっている加藤さんに駆け寄る。
「加藤さん、加藤さん」
「萱島さんが一応傷は縫ったんだけど、まだ意識は戻らなくて、こんな状況だけど少し診られませんか?」
畑野先生は気を遣ってくれたが、言い終わる前に診察を始めていた。
傷の具合と、熱や脈をみる。
ぐったりしていて苦しそうな様子だ。
ここが現代なら、まだ色々やれることはあるのに、何も出来ない事がもどかしい。
「抗生物質や塗り薬なんかがあれば、少し改善されると思うんですが、こんな状況じゃ」
加藤さんの手を取り、ただ祈る。
神頼みなんて、少しでも医療の端っこをかじった人間のすることじゃないけど。
「何もできることが無いならあんたも寝てな」
苛々している萱島さんに無理やり椅子に押し込まれた。
あとその頬もなんとかできないの?と痛そうな顔で覗き込まれる。
畑野先生が濡らしたタオルを持ってきてくれ、頬に当てた。
私は気にしていなかったが、これで皆んなの心配の目が無くなるならそれが良い。
その日の晩、
何とも改善されない加藤さんの状況を、少しでも良くするべく、明日は薬草取りに出かけることになった。
特に関西学生の米澤君は、加藤さんとも親しくなっていたから、見てて痛々しいくらい心配している。
私は加藤さんの様子を観察した後、電車からふらりと外に出た。
白浜さんと畑野先生が焚き火の周りに腰掛けていて、萱島さんは一人外れた所に座っていた。
今、なのかもしれない、、、
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3人の隊長と座長の剣士@自由浮上自由返信(プロフ) - 藍さん» いえいえ、こちらこそ迅速な対応をありがとうございます!占ツクライフ、楽しんでくださいね! (7月15日 20時) (レス) id: da35f6fb87 (このIDを非表示/違反報告)
3人の隊長と座長の剣士@自由浮上自由返信(プロフ) - 失礼します…!実在する方を小説に出す場合はオ.リ.フ.ラを外した方が良いですよ!また、nmmn(実在する人物を題材にした二次創作)ではご本人様の目につかないよう、伏せ字や検索避け(長くなってしまうので、お手数ですが詳細はご自身でお調べください)などをしましょう! (7月15日 16時) (レス) id: 6196f83925 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍 | 作成日時:2023年7月12日 11時